公認心理師の過去問
第6回 (2023年)
午後 問63
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問題
公認心理師試験 第6回 (2023年) 午後 問63 (訂正依頼・報告はこちら)
28歳の女性A。不眠のため精神科クリニックを受診した。現在勤務している飲食店には、半年前に転職したばかりである。職場に慣れてきた3か月前に、仕事が遅いとひどく叱責された。そのため、職場に早く出勤したところ、時間外の仕込みなどは禁止されていると再び注意された。この頃から、職場で動悸や頭痛を感じるようになり、仕事のミスが増えた。対応した公認心理師にAは、ストレスや気分の落ち込みを訴える一方で、「休日は SNS で知り合った男性と遊びに行く。また、以前にも同じようなことがあったが、退職した後、体調は速やかに回復した」と言う。
DSM−5に基づくAの病態の理解として、最も適切なものを1つ選べ。
DSM−5に基づくAの病態の理解として、最も適切なものを1つ選べ。
- 適応障害
- 急性ストレス障害
- 脱抑制型対人交流障害
- 心的外傷後ストレス障害
- 反応性アタッチメント障害
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この過去問の解説 (2件)
01
この事例のポイントは次のように考えられます。
・仕事について叱責や注意を受けてから、職場で動悸や頭痛を感じるようになった。
・仕事のミスが増えた。
・ストレスや気分の落ち込みがある。
・休日は元気な様子がある。
・以前にも同じような事があったが、退職した後には回復した。
上記のような状態に当てはまる病態は、選択肢の中では「適応障害」と考えられ、この問題での正答となります。
では、選択肢を見てみましょう。
正答です。
適応障害は、特定の状況や出来事について辛さや苦しさを感じ、気分や体調の不良が起きる状態です。症状としては、動悸、めまい、頭痛、落ち込んだ気分、不安や怒りを感じるなどが挙げられます。原因がはっきりしている場合には、その原因から離れる事で症状が回復するという特徴もあります。
誤りです。
急性ストレス障害は、精神的に強いショックを受ける出来事に遭遇したために、その出来事を突然に思い出す、強い不安や緊張が続く、頭痛や不眠などの症状が生じ、生活に影響する状態を言います。出来事から一ヶ月以内で症状が消失する事が特徴です。
誤りです。
脱抑制型対人交流障害は、主に子どもについて診断されるものです。
よく知らない人にも平気で近づいて交流しようとする、過度に馴れ馴れしいなどの特徴が見られます。
誤りです。
心的外傷後ストレス障害は、急性ストレス障害で見られるような症状が、1カ月以上の長期に渡って続く状態を言います。
誤りです。
反応性アタッチメント障害は、主に子どもについて診断されるものです。
人に対して過度に警戒する、人に頼る事ができないなどの特徴が見られます。
精神疾患の症状や特徴をよく理解しておく事により、クライエントに対して、医療機関受診の提案や状態に応じた心理療法などを適切に行う事ができますので、十分に学んでおきましょう。
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02
各選択肢の病態について確認していきましょう。
職場でのストレス因に反応して症状が出現しており、さらにそのストレス因から離れると症状が消失することから、適応障害であると判断できますので、適切です。
急性ストレス障害や心的外傷後ストレス障害では、実際にまたは危うく死んでしまう、重傷を負う、性的暴力を受けるといった出来事への暴露が診断基準に含まれています。Aさんの事例ではあてはまらないため、不適切です。
脱抑制型対人交流障害は、見慣れない大人へ積極的に交流しようとする子供の行動様式が特徴ですので、成人のAさんにはあてはまらず、不適切です。
心的外傷後ストレス障害や急性ストレス障害では、実際にまたは危うく死んでしまう、重傷を負う、性的暴力を受けるといった出来事への暴露が診断基準に含まれています。Aさんの事例ではあてはまらないため、不適切です。
5歳までに発症する愛着障害ですので、今回のAさんの事例にはあてはまらず不適切です。
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