公認心理師の過去問
第6回 (2023年)
午後 問64
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問題
公認心理師試験 第6回 (2023年) 午後 問64 (訂正依頼・報告はこちら)
50歳の男性A、会社員。産業医の紹介で精神科クリニックを受診した。Aは、1年前に会社の組織変更に伴い、入社以来従事してきた開発職から営業職に異動となった。当初、新たな職場で戸惑いもあったが、意欲的に業務に取り組んでいた。しかし、営業成績が上がらず、しばしば夜遅くまで残業するようになった。半年前頃から不眠や食思不振を認めるようになり、次第に仕事の遅れが目立ってきた。気力低下が続き、1か月前から欠勤も増えている。問診票には、「こんな私のために皆さまのお時間をとってしまい、申し訳ない」と記載されていた。
Aの病態評価のために行う心理検査として、最も適切なものを1つ選べ。
Aの病態評価のために行う心理検査として、最も適切なものを1つ選べ。
- CAPS
- HAM−D
- PDSS
- YMRS
- Y−BOCS
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この過去問の解説 (2件)
01
問題文から、Aさんには抑うつ症状が出現していることが読み取れます。
選択肢の心理検査の内容を確認し、抑うつ症状を評価するために適切なものを選びましょう。
正式名称はPTSD臨床診断面接尺度(Clinician-Administered PTSD Scale)で、PTSDの代表的な構造化面接尺度として用いられています。今回の事例には不適切です。
正式名称はハミルトンうつ病評価尺度です。うつ病の状態を専門家によって客観的に評価するための尺度ですので、適切な選択肢です。
正式名称はパニック障害重症度評価尺度(Panic Disorder Severity Scale)で、パニック障害の程度を評価する尺度ですので、不適切です。
正式名称はヤング躁病評価尺度(Young Mania Rating Scale)で、躁の状態について評価する尺度ですので、不適切です。
正式名称はエール・ブラウン強迫尺度(Yale-Brown Obsessive Compulsive Scale)で、強迫症の重症度の評価に用いられる尺度ですので、不適切です。
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02
この問題では、心理検査についての知識、クライエントを見立てる力が問われています。
この問題でクライエントに対する適切な心理検査を選択するために、注目すべきポイントは次の通りです。
・成人である。
・不眠や食欲不振の症状がある。
・仕事の遅れがある。
・気力低下があり、欠勤も増えている。
・自分を責めるような発言がある。
上記の状態を考えると、このクライエントにはうつ病の可能性が考えられます。
うつ病の可能性について測る検査は、選択肢の中では「HAM-D」が適切であり、この問題での正答となります。
では、選択肢を見てみましょう。
誤りです。
CAPSは、PTSD症状を評価する心理検査です。
正答です。
HAM-Dは、成人のうつ病の重症度を評価する尺度です。
クライエントの自己評価ではなく、医師などの専門家が面接をしながら評価する方法で実施されます。重症度だけでなく、うつ病の回復の程度を評価する際にも用いる事ができます。
誤りです。
PDSSは、パニック障害の重症度を評価する心理検査です。
誤りです。
YMRSは、躁病の状態について評価する心理検査です。
誤りです。
YーBOCSは、強迫観念、強迫行為の評価をする心理検査です。
うつ病の評価をする心理検査だけでも多くの種類があります。基本的な心理検査の実施態度を身につけておき、実施の際には検査の理論、方法をよく理解した上で行う事が重要です。
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