公認心理師の過去問
第6回 (2023年)
午後 問69
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問題
公認心理師試験 第6回 (2023年) 午後 問69 (訂正依頼・報告はこちら)
24歳の男性A、総合商社の会社員。Aは、大学でフランス語を専攻し、卒業後、新卒採用で入社して3年目である。採用面接では、面接担当者に語学力と留学経験を高く評価されたことから、入社後は数年のうちに海外に派遣され即戦力として活躍できるキャリアパスをイメージしていた。ところが、事業整理によって、勤務先企業が欧州拠点を撤退したことを知り、現職で希望をかなえることができないという現実に直面している。「書類整理の手伝いくらいしか語学力を活かす機会がなく、こんなはずではなかった」と悩んでいる。
Aの悩みを表す用語として、最も適切なものを1つ選べ。
Aの悩みを表す用語として、最も適切なものを1つ選べ。
- カタルシス
- モラトリアム
- キャリア・プラトー
- リアリティ・ショック
- セルフ・ハンディキャッピング
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題で、Aには「希望した仕事をする事ができない。こんなはずではなかった」という想いに直面しています。
このような悩み方をする事を「リアリティ・ショック」と言い、この問題での正答となります。
では、選択肢を見てみましょう。
誤りです。
カタルシスとは、心の中に溜まっていたもやもやとした感情が解放されて、気持ちが浄化される事を言います。カウンセリングの効果の一つとも言えます。
誤りです。
モラトリアムとは、社会に出て大人の責任を負う事を猶予されている期間の事を言います。
誤りです。
キャリア・プラトーとは、仕事において昇進や昇格に行き詰っている、停滞していると感じ、モチベーションの低下が起きている状態を言います。
正答です。
リアリティ・ショックとは、理想と現実の違いを受け入れる事ができず、衝撃を受けている状態と言います。
誤りです。
セルフ・ハンディキャッピングとは、自分自身にハンディキャップを課す事によって、もし何か失敗しても自分の責任ではなく他の事に理由があると捉え、自分を守ろうとする事を言います。
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02
問題文より、Aの悩みは理想としてイメージしていたキャリアパスが実現できない現実に直面していることから生じていることがうかがえます。
よって適切な用語は「リアリティ・ショック」となります。
他の選択肢についても用語の意味を確認しましょう。
欲求や感情、葛藤を意識化し発散させることで得られる精神の浄化作用を表す用語ですので、不適切です。
エリクソンは青年期における子供から大人になるための猶予期間をモラトリアムと呼び、アイデンティティ確立のための準備期間であるとしました。Aの悩みとは関連していないため不適切です。
主に中年期以降で昇進や昇格が行き詰まり、キャリアが停滞状態にあること表す用語ですので不適切です。
理想と現実との違いに戸惑い、こんなはずではなかったと喪失感を抱いたりモチベーションが低下する状態を表す用語ですので適切です。
あらかじめ自分自身にハンディキャップを与えることで思うような結果が得られなかった場合の自己評価の低下を回避しようとすることを表す用語ですので、不適切です。
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