公認心理師の過去問
第6回 (2023年)
午後 問70

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問題

公認心理師試験 第6回 (2023年) 午後 問70 (訂正依頼・報告はこちら)

中堅製造業、A社。創業当初から、従業員への給与や福利厚生を重視した経営を続けている。近年では、時間外労働対策や女性活躍推進、ハラスメント対策などに注力し、一定の成果を得ている。メンタルヘルス対策にも取り組んでおり、社内での相談体制や職場復帰支援に関する制度などを整備してきた。今回、メンタルヘルス対策の一環として、健康経営の観点を取り入れた対策を強化する計画が検討された。この計画では、従業員が仕事に没頭でき、やりがいや誇りを感じられ、仕事から活力を得られる職場づくりが目標として掲げられた。
A社がこの目標の達成度を評価する観点として、最も適切なものを1つ選べ。
  • ポジティブ・アクションの推進
  • ワーク・エンゲイジメントの向上
  • ワーク・ライフ・バランスの実現
  • メンタルヘルス不調による休職率の低下
  • メンタルヘルス不調による休職者の復職率の向上

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この過去問の解説 (2件)

01

この事例で取り組もうとしている計画では、「従業員が仕事に没頭でき、やりがいや誇りを感じられ、仕事から活力を得られる職場づくり」を目指しています。

これは、「ワーク・エンゲイジメント」の考え方に当てはまります。

ワーク・エンゲイジメントの考え方では、個人の中で

①仕事から活力を得ている(活力)

②仕事に誇りややりがいを感じている(熱意)

③仕事に熱心に取り組んでいる(没頭)

の3つの要素がそろった状態で、仕事において前向きで充実した心の状態である事を言います。

つまり、ワーク・エンゲイジメントが高い人が多い職場は、健康的で意欲的に仕事へ取り組める人が多く、職場全体の仕事の質も上がると期待されます。

よって、この問題の正答は「ワーク・エンゲイジメントの向上」です。

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02

企業でのメンタルヘルス対策の導入においては、従業員の健康だけでなく、それが企業にとってどのようなメリットがあるかが導入を促すポイントとなります。

休職や離職リスクを低下させるだけでなく、従業員が活き活きと仕事に取り組みパフォーマンスが向上するようことを目指すワーク・エンゲイジメントの観点をおさえておきましょう。

選択肢1. ポジティブ・アクションの推進

女性社員の活躍推進など、社会的な差別から不利益を被っている層に対して、格差を是正する取り組みを行うことを意味しますので、不適切です。

選択肢2. ワーク・エンゲイジメントの向上

従業員がやりがいを持って活き活きと仕事に取り組め、パフォーマンスが向上することを意味しますので、適切です。

選択肢3. ワーク・ライフ・バランスの実現

家庭や趣味などプライベートの時間と仕事の充実のバランスを考慮することを意味しますので、不適切です。

選択肢4. メンタルヘルス不調による休職率の低下

メンタルヘルス対策においては重要ですが、本事例で掲げられる目標「従業員が仕事に没頭でき、やりがいや誇りを感じられ、仕事から活力を得られる職場づくり」とは異なりますので、不適切です。

選択肢5. メンタルヘルス不調による休職者の復職率の向上

メンタルヘルス対策においては重要ですが、本事例で掲げられる目標「従業員が仕事に没頭でき、やりがいや誇りを感じられ、仕事から活力を得られる職場づくり」とは異なりますので、不適切です。

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