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公認心理師の過去問 第6回 (2023年) 午後 問71

問題

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20歳の男性A、大学2年生。Aは、最近授業を欠席することが多くなり、Aの担任教員の紹介で、学生相談室の公認心理師のもとを訪れた。Aはもともと人付き合いが苦手で、これまでクラスの友人ともあまり馴染めず過ごしてきた。大学1年生のときはオンライン授業がメインであったが、大学2年生になってから対面授業になると、ゼミの発表で失敗してしまい、それから授業に出るのが苦痛になった。授業のことを考えるだけで、息苦しくなり、不安になる。
Aに対して行う認知行動療法に基づいた支援として、不適切なものを1つ選べ。
   1 .
行動実験
   2 .
心理教育
   3 .
安全行動の維持・促進
   4 .
ビデオ・フィードバック
   5 .
注意シフト・トレーニング
( 公認心理師試験 第6回 (2023年) 午後 問71 )
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この過去問の解説 (2件)

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認知行動療法とは、起きている問題を具体的に取り上げ、それについての考え方や行動を少しずつ変える事で、問題を解決していく手法です。認知行動の中にも、いろいろな取り組み方があります。

では、選択肢を見てみましょう。

選択肢1. 行動実験

支援として適切です。

行動実験とは、クライエントの頭に浮かぶ悪い考えについて、実際に行なってみる方法です。「きっと、こうなってしまうだろう」と思っている事でも、実際にやってみると、思っていたほどの悪い結果は起きない、周りの人の反応は違ったと分かる事があります。それを実験的に確かめる事で、考えや行動を変えていきます。

選択肢2. 心理教育

支援として適切です。

心理教育とは、クライエントへ認知行動療法や心理学の知識を伝え、問題への対処法などを学んでもらう方法です。心や疾患についての正しい知識を持つ事で、必要以上に不安を感じなくて済む、適切な対応ができる事が期待されます。

選択肢3. 安全行動の維持・促進

支援として不適切です。よって、この問題では正答となります。

安全行動とは、不安や恐怖を感じる場面で、自分を守るために不安を避けるような行動をする事です。一時的に安全が守られるため問題解決したように見えますが、根本的な解決にはなっていないため、同じような場面でまた不安を感じるなどの状況が起きてしまいます。

よって、安全行動を促すような支援でなく、別の方法で対処できるよう支援していく事が必要です。

選択肢4. ビデオ・フィードバック

支援として適切です。

ビデオ・フィードバックとは、クライエントの様子を録画し、それをクライエントに見てもらう方法です。自分の様子を客観的に見る事で、自身が心配していたほどの事は起きていない、思っていたよりも周りからすると気にならないという事を確認してもらいます。それによって、否定的なイメージや考え方を変える事につながります。

選択肢5. 注意シフト・トレーニング

支援として適切です。

不安が高い人は、自分の状態(例えば、顔が赤くなっているのではないかなど)に過度に注意が向いてしまう傾向があります。その自分に向いてしまう注意を外へ向けるように練習する事で、その場面で過度な不安を感じなくても済むようになる事が期待されます。

まとめ

認知行動療法は、心理療法の中でも自分で意識できる考えや行動にアプローチするため、クライエントにとっても取り組みやすい手法の一つです。クライエントの状態や抱えている困難に合わせて支援を提供できるよう、知識や技術を身につけていくことが大切です。

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問題文から、Aは対人場面で不安が生じており、不安が強くなる場面を回避していることがうかがえます。

この行動によりさらに不安が強くなる悪循環が生じており、学生生活に支障をきたしていると思われます。

認知行動療法では心理教育や、自分を客観的に観察できるビデオ・フィードバックによってこのような悪循環に気づいたり、行動実験によって実際に恐れていることが起こるのかどうかを確かめたり、注意シフト・トレーニングによって不安の程度をやわらげ回避行動を減らしていくことを目指します。

選択肢1. 行動実験

上述の通り、有効な支援です。

選択肢2. 心理教育

上述の通り、有効な支援です。

選択肢3. 安全行動の維持・促進

ここでいう安全行動とは、不安を感じる状況を回避することでその場しのぎの解決を行うことです。これでは対人場面での不安は長期的に見れば増大していく恐れがあるため、不適切となります。

選択肢4. ビデオ・フィードバック

上述の通り、有効な支援です。

選択肢5. 注意シフト・トレーニング

上述の通り、有効な支援です。

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