公認心理師の過去問
第6回 (2023年)
午後 問74
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問題
公認心理師試験 第6回 (2023年) 午後 問74 (訂正依頼・報告はこちら)
45歳の女性A、介護職員。腰痛と足のしびれのため、総合病院の整形外科に通院している。Aは、2年前に腰椎椎間板ヘルニアと診断された。それ以来、鎮痛剤の処方や理学療法、神経ブロックなどを受けている。MRI 検査でヘルニアの所見は、半年前から認められていないが、痛みなどは改善していない。そのため、担当医から院内の公認心理師Bに心理面接が依頼された。AはBとの面接に訪れ、「痛みのことが頭から離れず、自分ではどうしようもない。症状は酷くなる一方で、ヘルニアが治るとは思えない」と述べた。最近は、夜眠れないことが多く、介護の仕事を休むことも増えている。
Aの認知面の特徴として、最も適切なものを1つ選べ。
Aの認知面の特徴として、最も適切なものを1つ選べ。
- 破局的思考
- 自己関連づけ
- 感情的理由づけ
- 正常性バイアス
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この過去問の解説 (2件)
01
Aの状態と用語との関連を確認していきます。
正解です。
これは、自分の状態を非常に否定的な視点で見る傾向です。
Aは「自分ではどうしようもない」「症状は酷くなる一方」「治るとは思えない」と述べており、状況を悲観的に見ていることが伺えます。
これは破局的思考の特徴であり、彼女の痛みや状態に対する見方が否定的で、将来的な改善を期待していない可能性があります。
自己関連づけ: 現在の状況を自己の価値や能力と結びつけて捉える傾向です。
例えば、「私はこの状況をコントロールできないからダメな人間だ」というような考え方です。
本問においては不正解となります。
感情的理由づけ: 行動や信念を、感情や情緒的な要因に基づいて合理化する傾向です。
例えば、「痛みがあるから仕事を休んでしまうが、痛みがあるから仕方ない」というような合理化です。
本問においては不正解となります。
正常性バイアス: 自分や自分の経験を他の人や状況と比較し、自分の体験を普通だと考える傾向です。
自分の痛みや困難を他の人も同じように経験していると思うことが含まれます。
本問においては不正解となります。
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02
Aは痛みについて適応的でない認知を働かせていることがうかがえます。
「痛みがひどくなる一方で、治ると思えない」という発言から破局的思考が生じているといえます。
上述の通り、Aの認知の特徴として、「最悪の状況を想像して破滅的に考えてしまう」という面がみうけられますので、適切です。
自分とは関係ないことでも、自分のことを言っていると考えたり、自分の責任だと考える傾向を指しますので、不適切です。
論理的なことを無視して、感情的な理由から判断することを指しますので、不適切です。
災害や火災、事故などの危険な状況にあっても「大したことはない」「自分は大丈夫」というように自分の正常な生活が脅かされうる都合の悪い情報を過小評価する傾向のことですので、不適切です。
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