公認心理師の過去問
第6回 (2023年)
午後 問75
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問題
公認心理師試験 第6回 (2023年) 午後 問75 (訂正依頼・報告はこちら)
17歳の男子A、高校3年生。Aは、担任教師Bに勧められ、スクールカウンセラーCの相談室に来室の予定である。Bによると、Aの保護者は教育熱心で、Aは、入学時より成績は上位で、保護者が勧める難関大学への進学を希望していた。しかし、高校3年生になると、成績が低下してきた。Aは、「勉強は嫌いではないが、勉強する意味が分からない。進学せずにアルバイトをして一人暮らしをしたいと思っている。親に強く反対され、どうしようか迷っている」と語っているという。
Cの初回の対応方針として、適切なものを1つ選べ。
Cの初回の対応方針として、適切なものを1つ選べ。
- 保護者に同席してもらって話し合う。
- A自身の現状を検討する力を把握する。
- 精神科クリニックを受診するように勧める。
- 当初の希望通りの大学に進学するように説得する。
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この過去問の解説 (2件)
01
初回のスクールカウンセリングでの対応に関する問題です。
Aは進路選択の段階で、アイデンティティの課題に直面していることがうかがえます。
それを念頭に、各選択肢を見ていきましょう。
まずはAからの話をじっくり聞いていくことが重要です。本事例では、自分の意思(進学せずアルバイトをすること)に強く反対する保護者が同席することで、Aが自分の考えや気持ちを話すことが難しくなる恐れがありますので、不適切です。
Aの話をじっくりと聞き、アイデンティティの課題に取り組むにあたって、A自身が今持っている能力・資源を把握することは重要ですので、適切です。
現時点では抑うつ状態や不安等の精神的な症状はみられず、アイデンティティの課題に取り組むためにじっくりと話をしていくことが重要と思われますので不適切です。
まずは、Aのアイデンティティの課題に取り組むために、カウンセラーが寄り添う立場としてじっくりと話をきくことが重要です。説得はAとカウンセラーの対立をうむ恐れがあるため、不適切です。
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02
Aについて示されている情報から、各選択肢を検討していきます。
Aが直面している問題やストレスの要因を明らかにするため、保護者に同席させることは、Aが自分の感情をオープンに語るのを妨げる可能性があるため、避けるべきです。よって不正解となります。
正解です。
Aの意思や考えを尊重しつつ、その状況をより深く理解しようとすることが重要です。そのためには、Aの考えや感情をじっくりと聴き、彼が自身の現状をどのように受け止めているのか、どのように対処していきたいのかを把握することが必要です。
精神科クリニックの受診をすすめるのも悪くはないですが、A自身が受診することに抵抗があるかもしれませんし、その前に彼の立場や意向をよく把握することが先決です。よって不正解となります。
当初の進路についての説得は、彼の意思や希望を無視する可能性がありますので、現在の状況を尊重した方針が必要です。よって不正解となります。
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