公認心理師の過去問
第7回 (2024年)
午前 問5
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問題
公認心理師試験 第7回 (2024年) 午前 問5 (訂正依頼・報告はこちら)
異なる位置にある2つの刺激を、適切な短い時間間隔で交互に点滅させると、刺激が2つの位置を移動するように見えることを表す用語として、最も適切なものを1つ選べ。
- 運動視差
- 仮現運動
- 自動運動
- 誘導運動
- 両眼視差
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この過去問の解説 (3件)
01
知覚に関する問題です。
この問題の正答は「仮現運動」です。
では、選択肢を見てみましょう。
誤りです。
運動視差とは、見る人が動くことで視点が変わったり、見る対象が移動したりすることによって生じる見え方の差を言います。見え方に差が生じても、体の動きや見る方向、見る対象までの距離について脳が情報を整理するので、見る世界は安定しています。
また、その差によって、自分から対象までの距離を知覚することができます。例えば、電車に乗って移動しながら窓の外を見ている時、電車から近い位置にある物はとても速く動いて見え、遠くにある物はゆっくり動いているように見えます。それによって、対象までの距離を感じることができます。
正答です。
問題文は仮現運動の説明として適切です。
踏切の警報機のランプなど、2つの光点が素早く交互に点滅することによって、その光が動いているように知覚されます。
誤りです。
自動運動とは、止まっている物が動いているように感じられる現象を言います。
暗い場所で一点の光を見つめ続けると、その光が動いているように感じられます。
誤りです。
誘導運動とは、見ている対象は動いていないはずのに、その周囲にある物が動くことによって、見ている対象が動いているように感じられる現象です。
例えば、月は動いていないのに、その周囲の雲が流れていると、月が動いているように知覚されるようなことを指します。
誤りです。
両眼視差とは、右眼と左眼に映る像の差を言います。右眼と左眼の位置は異なりますので、見える像には差があります。しかし、その差は脳内で統合されるので、見る世界は安定します。また、その差から奥行きを知覚することができています。
感覚・知覚は基礎的な心理学の知識の一つです。人間がどのように環境を感じ取り、理解するのか、基本的な知識を身につけておきましょう。
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02
この問題で覚えておくべきポイントは以下のとおりです。
物の見え方、視覚、知覚に関する用語の意味を問われています。
類似したものも含まれているため、理論的背景も含めて覚えておきましょう。
それでは、問題を見てみましょう。
近いものほど、早く動いているように見えて、遠くのものほど、ゆっくり動いているように見えることを指します。この速さの違いが、遠近感、距離感をつかむことに活用されています。そのため、間違いです。
動いていないものを点滅させると、まるで動いているように見える現象のことを指します。問題文の説明の通りですので、正しいです。
暗闇で光の点を見つめていると、止まっているはずの点が動いているように錯覚してしまう、という運動です。交互に点滅させるわけではないため、間違いです。
動いていないものが、動いているように見える錯覚の一つの反応です。二つの物体の関係が、囲うものと、囲われるもの、の位置関係にあるときに生じます。囲うものが実際には動いたにも関わらず、囲われるものが動いたと錯覚します。
交互に刺激を活用しているわけではないので、間違いです。
奥行を理解するには必要なことで、両目の網膜に移っている映像の、映し出されている位置の違いを指します。この違いを認識し、奥行きを人は判断しています。そのため、間違いです。
視覚、見え方に関するレンズの部分と、見えたことを、どのように生かすかという、知覚の処理に関することも理解しておくべきです。言葉が類似しているので、丁寧に見直しておきましょう。
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03
以下に解説します。
物体の奥行きを知覚する手がかりの一つで、観察者が動くことによって異なる視差が生じ、奥行き感が得られる現象です。
正しいです。実際には動いていない2つの刺激が、適切な短い時間間隔で交互に点滅することで、まるで一つの刺激が2つの位置を移動しているかのように見える現象です。この現象は、私たちの視覚システムが連続した動きを知覚しようとするために生じます。
暗闇の中で静止している光点が動いているように見える現象で、仮現運動とは異なります。
ある物体が動くことで、他の静止している物体も動いているように見える現象です。例えば、電車の中から外の景色が動いて見える場合などです。
両目の位置の違いによって生じる視差で、立体視や奥行き知覚に関係する要因です。
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