公認心理師の過去問
第7回 (2024年)
午前 問9
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問題
公認心理師試験 第7回 (2024年) 午前 問9 (訂正依頼・報告はこちら)
過去に経験した物事の記憶によって、その後に経験する物事の記憶が困難になる現象として、最も適切なものを1つ選べ。
- 側抑制
- 逆向抑制
- 構音抑制
- 順向抑制
- 条件抑制
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この過去問の解説 (3件)
01
以下に解説します。
視覚や聴覚で、隣接する神経細胞が互いに抑制し合う現象です。
新しく学習した情報が過去の記憶の想起を妨げる現象です。
記憶課題中に発声させることで記憶成績が低下する現象です。
正しいです。過去に経験した情報や記憶が影響を及ぼし、その後に学習した新しい情報の記憶が難しくなる現象です。たとえば、古い住所を覚えているために新しい住所を覚えづらくなる場合などが順向抑制の例です。
古典的条件づけで、ある条件刺激が特定の行動を抑制することを学習する現象です。
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02
記憶の過程に関する問題です。
この問題の正答は「順向抑制」です。
では、選択肢を見てみましょう。
誤りです。
側抑制とは、視知覚に関する用語です。
動物は視覚的に色や形を認識する際に、その境界を強く感じとる機能があります。近隣する刺激同士を抑制するような作用によって、境界を明確に感じ取るということです。例えば、明暗の異なる同じ色が近隣している場合、境界部分で明るい色はより明るく、暗い色はより暗く感じるということが生じます。
誤りです。
逆向抑制とは、何か学習した後に、また別の何かを学習した場合、先に学習した内容が後に学習した内容に干渉を受けて、思い出しにくくなることを言います。
誤りです。
構音抑制とは、ワーキングメモリーなどの研究において活用される手法です。言葉を記憶するような課題の遂行中に、その課題とは関係のない音声を繰り返し構音する(言う)ように求めるものです。これによって、記憶の課題について、音韻ループ(会話や文章を理解するために一時的に情報を保持する機能)の関与を防いで実験することができます。
正答です。
順向抑制とは、先に学習した内容によって、その次に学習しようとする内容が干渉を受け、記憶されにくくなることを言います。
誤りです。
条件抑制とは、特定の行動について嫌悪や恐怖などの感情を体験すると、その特定の行動が抑制されるような学習を言います。例えば、何かを食べた後に体調を崩したとすると、その食べ物を食べるという行動が抑制されるということです。
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03
この問題で覚えておくべきポイントは以下のとおりです。
様々な「抑制」という単語がありますが、記憶に関すること以外にも使われています。言葉の意味だけでなく、記憶のシステムについても整理しておきましょう。
それでは、問題を見てみましょう。
視覚的には一つの光刺激に視覚繊維が反応すると、その隣の視覚繊維が反応しないように抑制がかかることを意味します。この境目ができることで、濃淡が明確になるということですが、視覚のみならず、他の感覚器官でも同じ現象が起こります。
記憶においては、展望記憶の情報を想起するときに近くにある情報を抑制するメカニズムとして扱われていますので、間違いです。
ある記憶の想起を起点として、その後に体験した記憶が、ある記憶に影響を与えて思い出せなくなることを指しますので、間違いです。時間は進むのに、過去の記憶にさかのぼって影響を与えている、と覚えると分かりやすいと思います。
記憶課題を遂行中に、課題とは全く関係のない無味乾燥した音を聞かせて、記憶をしずらくする(抑制する)ことを意味しますので、間違いです。
問題文のとおり、ある記憶を起点として、それ以前に記憶したことが影響して想起を困難にすることを指しますので、正しいです。
過去の記憶のうえに、現在の記憶が重なるため、時間の流れに沿っていると理解しましょう。
条件性抑制とも呼ばれます。ある刺激を提示して反応することが定まっている、オペラント条件付けが成立しているときに、自発的な反応が抑制されている状態を指します。そのため、間違いです。
抑制するためには、対になる刺激や条件がありますので、メカニズムを改めて整理しておきましょう。
記憶のメカニズムに関しては諸説ありますので、理論の整理も有効だと思います。
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