公認心理師の過去問
第7回 (2024年)
午前 問10

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問題

公認心理師試験 第7回 (2024年) 午前 問10 (訂正依頼・報告はこちら)

ある1つの刺激に対して生じている反応が、類似したその他の刺激においても同様に生じる現象を説明する概念として、最も適切なものを1つ選べ。
  • 馴化
  • 消去
  • 般化
  • 負の強化
  • 高次条件づけ

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この過去問の解説 (3件)

01

学習に関する用語の問題です。

 

この問題の正答は「般化」です。

では、選択肢を見てみましょう。

選択肢1. 馴化

誤りです。

馴化とは、刺激に馴れ、刺激への反応が薄れていくことを言います。

例えば、花火が上がった時に、初めはその大きな音は光を強く感じますが、しばらくそれが続くと、最初ほどの強さは感じなくなっていくようなことです。

選択肢2. 消去

誤りです。

消去とは、一度条件づけされた反応が失われること、失わせるための手続きを意味します。

例えば、犬の実験で考えると、メトロノームの音が鳴ったら餌を与えることを続けると、犬は「メトロノームの音がしたら餌がもらえる」と学習し、音が鳴っただけで唾液が出るようになります。その学習がされた状態で、メトロノームの音が鳴っても餌を与えないようにすると、音が鳴っても餌はもらえないと分かり、唾液は出なくなります。つまり、条件づけが消去されたと言えます。

選択肢3. 般化

正答です。

問題文は般化の説明として適切です。

般化とは、学習されたことがそれと似たような他の刺激や場面においても反応が起きるということです。

犬の実験で考えると、犬が「メトロノームの音が聞こえたら餌がもらえる」と学習し、メトロノームの音が聞こえただけで唾液が出るようになっている状態で、メトロノームと似たようなベルの音が聞こえた時にも唾液が出るようなことを言います。

 

選択肢4. 負の強化

誤りです。

負の強化とは、特定の行動の後に、嫌な刺激がなくなるという事を学ぶと、その特定の行動が維持されたり、増加したりすることを言います。

例えば、咳が出る時に咳止め薬を飲んだら、効果があって咳が治まったとすると、また同じようなことが起きた時に、その咳止め薬を飲むという行動に繋がるということが起きます。

選択肢5. 高次条件づけ

誤りです。

高次条件づけとは、条件づけがされている状態で、新しい刺激を一緒に提示すると、その新しい刺激についても条件反射が生じるということです。

犬の実験で考えると、「メトロノームの音が聞こえたら餌がもらえる」と学習していて、メトロノームの音が聞こえたら唾液が出るという状態の犬に対して、メトロノームの音と一緒に新しくライトを光らせるという刺激を提示し続けると、ライトが光ったことについても唾液が出るようになるようなことと言えます。

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02

この問題で覚えておくべきポイントは以下のとおりです。

刺激—反応、のシステム、理論について問われています。

では、問題を見てみましょう。

選択肢1. 馴化

「じゅんか」と読みます。「順化」と記載されることもあるようです。ある刺激をずっと提示され続けると、刺激として認識しづらくなり慣れてしまい、刺激に対する反応が乏しくなる現象を示していますので、間違いです。

選択肢2. 消去

ある刺激—反応のパターンをなくして、反応しなくなる状態を作り出すことを示していますので、間違いです。

選択肢3. 般化

「はんか」と読みます。問題文のとおり、刺激—反応のパターンが確立されたのち、他の類似した刺激に対しても、類似した反応をすることを指しますので、正しいです。

選択肢4. 負の強化

「強化」とは、ある行動を強めるシステム・仕組みを指します。

そのため、負の強化は、その逆で、ある行動に対し、対象者にとって不快な刺激を取り除くことで、行動が強化される仕組みを指しますので、間違いです。

ちなみに、正の強化は、ある行動に対し、対象者にとって心地よい刺激を受けることで、行動が強化されることになります。どちらも「強化」という言葉の意味を正しく理解しておきましょう。

選択肢5. 高次条件づけ

古典的条件づけを基準とし、二次的・三次的条件づけを指しますので、間違いです。

条件刺激を無条件刺激に置き換えて用い、新たな条件刺激を与えて反応を得る技法となりますので、間違いです。

古典的条件付けは、いわゆるパブロフの犬の反応ですね。たとえばこれに、音だけでなく、他の刺激を追加して反応するように学習させると、音を聞かせることなく、他の刺激でも同様によだれをだせるようになる、ことを意味します。

まとめ

人の刺激―反応は多彩です。その一つ一つのシステムについて理論と組み合わせて説明されてきています。

歴史的な流れと一緒に整理しておきましょう。

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03

以下に解説します。

選択肢1. 馴化

繰り返し同じ刺激にさらされることで、その刺激に対する反応が徐々に弱まる現象です。

選択肢2. 消去

条件づけられた反応が、その条件刺激が何度も提示されるのに報酬が伴わなくなると、徐々に弱まって消失する現象です。

選択肢3. 般化

ある刺激に対する反応が、類似した他の刺激に対しても同様に生じる現象を指します。

選択肢4. 負の強化

望ましくない刺激を除去することで、ある行動が強化される現象です。

選択肢5. 高次条件づけ

既に条件づけられた刺激を使って、別の新しい中性刺激にも条件反応を結びつける現象です。

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