公認心理師の過去問
第7回 (2024年)
午前 問11
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
公認心理師試験 第7回 (2024年) 午前 問11 (訂正依頼・報告はこちら)
「とても緊張して臨んだ就職面接会場の出口で、さほど仲の良くない知人を見つけた際に、自分から声をかけ、普段よりも冗舌に自己開示してしまった」という現象を説明できる感情理論として、最も適切なものを1つ選べ。
- C. E. Izard の分化情動説
- R. L. Solomon と J. D. Corbit の相反過程説
- R. Plutchik の感情立体構造モデル
- S. Tomkins の顔面フィードバック仮説
- W. James と C. Lange の末梢起源説
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (2件)
01
感情がどのように起こるかという理論に関する問題です。
この問題の正答は「R.L.SolomonとJ.D.Corbitの相反過程説」です。
では、選択肢を見てみましょう。
誤りです。
イザードの「分化情動説」とは、感情には普遍性、共通性があり、文化は違っても生じる感情は基本的に同じという考え方です。
基本的な感情を「興味・興奮、喜び、驚き、苦悩・不安、怒り、嫌悪、軽蔑、恐怖、恥、罪悪感」の10としています。
正答です。
問題文はこの理論で説明できます。
ソロモンとコービットの「相反過程説」とは、何か刺激を受けて感情が動く時の流れを、①刺激を受けた直後に特に強く感情の動きを感じ、②少しずつ感情に慣れ、③刺激がなくなってから少し経つと初めの感情とは反対の感情が生じ、④いずれ落ち着く、というように考えます。
つまり、試験会場で強く緊張したが、それが終わると開放的になり(緊張と反対の感情)、普段よりも自己開示をしてしまったと、考えることができます。
人間がジェットコースターやお化け屋敷などの恐怖体験を繰り返すことも、この理論で説明できます。
誤りです。
プルチックの「感情立体構造モデル」とは、8つの普遍的な基本感情(恐怖、怒り、喜び、悲しみ、信頼、嫌悪、期待、驚き)があると考え(一次感情)、さらに基本感情の2つが同時に起こる時に人間特有の複雑な感情(二次感情)が起こると考えます。これを花が開いたような形の色彩のある図(感情の輪)に表しています。
誤りです。
トムキンスの「顔面フィードバック仮説」とは、人間の感情は顔面の筋肉の動きに影響を受けていると考えるものです。刺激によって表情が変わり、顔面の筋肉が動きます。その動きが脳にフィードバックされることによって、感情が動くと考えます。
誤りです。
ジェームスとランゲの「抹消起源説」とは、外からの刺激を受けて、身体に反応が起こり、その反応を脳が知覚することによって、感情が起こると考えるものです。「悲しいから泣くのでなく、泣くから悲しい」と感じるという説明が有名です。
参考になった数1
この解説の修正を提案する
02
以下に解説します。
基本的な情動が生まれつき備わっており、それらが分化していく過程でさまざまな感情が形成されるという理論です。
正しいです。強い感情(たとえば、緊張や不安)が生じた後、その感情が相反する感情(たとえば、安堵やリラックス)を引き起こすという理論です。問題の例では、就職面接で強い緊張を感じた後、会場の出口で知人を見つけた際に、リラックスした気持ちになって普段よりも冗舌に自己開示してしまうという現象が説明されます。これは、緊張によって引き起こされた不安感が、面接終了後に相反する安堵や解放感に切り替わったことにより、自己開示が促されたと考えられます。
感情を8つの基本的な感情で構成し、それぞれが異なる強度と組み合わせで表現されるとする理論です。
顔の表情が感情を強めたり調節したりするという仮説であり、緊張後の安堵による自己開示とは関係が薄いです。
身体の生理的変化が感情体験を引き起こすという説ですが、相反する感情のプロセスを説明するものではありません。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
前の問題(問10)へ
第7回 (2024年)問題一覧
次の問題(問12)へ