公認心理師の過去問
第7回 (2024年)
午前 問16

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問題

公認心理師試験 第7回 (2024年) 午前 問16 (訂正依頼・報告はこちら)

高次脳機能の神経心理学的アセスメントにおいて、日常記憶や生活障害を定量的に測定する心理検査として、最も適切なものを1つ選べ。
  • KWCST
  • RBMT
  • SLTA
  • VPTA
  • WMS−R

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この過去問の解説 (3件)

01

脳機能のアセスメントに用いられる心理検査の知識が問われています。

 

この問題の正答は「RBMT」です。

では、選択肢を見てみましょう。

選択肢1. KWCST

誤りです。

「KWCST」とは、「慶應版ウィスコンシンカード分類検査」と呼ばれる検査です。「ウィスコンシンカード分類検査」の修正版であり、より検査時間が短く、被験者への負担が少ないものとなっています。

成人用の検査で、前頭葉の機能を測ります。検査は、色・形・数の3つの分類基準で構成されているカードを用いて行い、抽象的に考える力、状況の変化に対応する力を評価します。

選択肢2. RBMT

正答です。問題文の説明は「RBMT」の説明として適切です。

これは「リバーミード行動記憶検査」と呼ばれるものです。

成人用の検査で、日常生活において記憶する力が求められる場面を想定した問題が出されます。

選択肢3. SLTA

誤りです。

「SLTA」とは、「標準失語症検査」と呼ばれるものです。

成人用の検査で、失語症のアセスメントに用いられます。「聴く・話す・読む・書く・計算」の力について6段階で評価します。

選択肢4. VPTA

誤りです。

「VPTA」とは、「標準高次視知覚検査」と呼ばれるものです。

成人用の検査で、視知覚の基本機能、物体画像認知、相貌認知、色彩認知、シンボル認知、視空間の認知と操作、地誌的見当識について評価します。

選択肢5. WMS−R

誤りです。

「WMS-R」は、「ウェクスラー式記憶検査」と呼ばれるものです。

成人用(16~74歳)の検査で、認知症を含めたさまざまな記憶障害の評価をすることができます。「一般的記憶」「注意・集中力」の2つが主な指標となっています。

まとめ

公認心理師が扱う心理検査には非常に多くの種類があります。それぞれの理論や方法はもちろん、結果の扱いについてもよく学んだ上で実施しましょう。クライエントが落ち着いて検査へ取り組むために、信頼関係を築けるような配慮も大切です。

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02

以下に解説します。

選択肢1. KWCST

遂行機能の評価を行い、特に柔軟な思考や問題解決能力を測定するテストです。

選択肢2. RBMT

日常生活に関連する記憶(例えば、人の名前や道順など)を評価し、生活上の記憶障害を定量的に測定するために設計された心理検査です。高次脳機能障害の神経心理学的アセスメントにおいて、実生活に即した記憶能力の評価ができるため、記憶障害が生活に与える影響を測定するのに適しています。

選択肢3. SLTA

失語症の評価に用いられ、言語機能の障害を測定するための検査です。

選択肢4. VPTA

視覚認知や視覚失認の評価に用いられる検査です。

選択肢5. WMS−R

一般的な記憶能力を測定するための検査で、広範な記憶機能を評価できますが、日常記憶や生活障害に特化していません。

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03

この問題で覚えておくべきポイントは以下のとおりです。

各種高次脳機能検査の名称と内容について問われています。

では、問題を見てみましょう。

選択肢1. KWCST

ウィスコンシンカード分類検査のことです。前頭葉機能検査であり記憶に関するものではないため、間違いです。なお慶應版は時間が短縮されています。

 

選択肢2. RBMT

リバーミード行動記憶検査であり、日常記憶を検査するものですので、正解です。

選択肢3. SLTA

日本で編纂された失語症の有無や失語症の特徴的な障害がどこにあるかを示すための検査です。記憶面での検査ではないため、間違いです。

選択肢4. VPTA

標準高次脳視知覚検査のことであり間違いです。どのような高次脳機能障害があるのかを多角的に評価することができます。

選択肢5. WMS−R

ウェクスラー記憶検査であり、全般的な記憶の状態を多角的に評価するものです。日常記憶を測定するわけではないため、間違いです。

まとめ

高次脳機能評価は略称で記載されることが多いため、英語での正式名称も含めて覚えておくと記憶しやすいと思います。何を評価するものなのかも、細かく確認しておきましょう。

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