公認心理師の過去問
第7回 (2024年)
午前 問17
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問題
公認心理師試験 第7回 (2024年) 午前 問17 (訂正依頼・報告はこちら)
高齢者の適応に関する理論として、最も適切なものを1つ選べ。
- PM理論
- 心の理論
- CHC理論
- バランス理論
- 補償を伴う選択的最適化理論
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この過去問の解説 (3件)
01
以下に解説します。
個人のパーソナリティや動機に関する理論であり、高齢者の適応に特化したものではありません。
他者の心的状態を理解する能力についての理論で、高齢者の適応理論ではありません。
知能の階層モデルであるCattell-Horn-Carroll理論のことで、知能や認知機能に関する理論です。
人間関係や態度の一貫性についての理論で、適応に特化したものではありません。
正しいです。補償を伴う選択的最適化理論は、高齢者が加齢に伴う身体的・認知的な機能低下に適応するための戦略を説明する理論です。この理論は、高齢者が自分の強みを活かして優先順位を選び(選択)、その分野での能力を最適化し、必要に応じて補償的な手段を用いることで生活の質を維持しようとする適応プロセスを示しています。高齢期の適応に関する理論として広く用いられています。
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02
心理学における理論の問題です。選択肢にあげられている理論は、基本的で、よく耳にするものばかりですので、よく学んでおきましょう。
この問題の正答は「補償を伴う選択的最適化理論」です。
では、選択肢を見てみましょう。
誤りです。
「PM理論」とは、三隅二不二(みすみじゅうじ)によるリーダーシップ理論です。リーダーの役割を、「目標達成機能(Performance)」と「集団維持機能(Maintenance)」の二つと捉え、そのバランスによってリーダーシップを考えます。
誤りです。
「心の理論」とは、相手の立場に立って考える、相手の心の状態を推測、理解する力について考えるものです。これは4~6才で獲得される力とされています。
誤りです。
「CHC理論」とは、知能の捉え方の理論です。Cattell,Horn,Carrollの3人による理論であり、それぞれの名前の頭文字が名称となっています。知能を一般能力、広範的能力、限定的能力の3段階で構成されると捉えています。
誤りです。
「バランス理論」とは、フリッツ・ハイダーが提唱した対人関係の理論です。
人はバランスのとれた状態を好むとし、何かが崩れて不均衡があるとそれを解決しようとすると考えます。自己(P)、他者(O)、事物(X)のバランスについて考えるので、「P-O-X理論」とも呼ばれます。
正答です。
「補償を伴う選択的最適化理論」は、高齢者の加齢への適応について考える理論です。
加齢によって喪失するものが増えていきますが、選択、最適化、補償によって生活への適応を続けていくと考えます。
目指す目標をより易しいものにする(選択)、時間や体の能力などの資源をより良い使い方に変える(最適化)、他者や補助的な機器の助けを得る(補償)などの変化により、生活へ適応しやすくなるとしています。
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03
この問題で覚えておくべきポイントは以下のとおりです。
様々な理論の名称とその内容についての問いです。それぞれの内容を丁寧に覚えておきましょう。
では、問題を見てみましょう。
リーダーに求められる行動に関する理論のため、間違いです。リーダーシップの機能をP機能(目標達成機能)とM機能(集団維持機能)の二つにわけてとらえており、どちらの機能が強いか、それとも両方が強いか、あるいは両方とも弱いのかで4つのタイプがあると示しています。
他者の心の中がどのような状態か解読し、解釈する過程をまとめたものであり、間違いです。主に発達心理学の分野で用いられています。4歳~5,6歳にて習得する技能の一つとされています。
知能の分類の理論ですので、間違いです。WICS-Ⅳはこの理論に基づき測定しています。
対人関係の理論の一つで、高齢者に限定された理論ではないため、間違いです。自己(P)と他者(O)と事物(X)の関係性を扱うP-O-X理論のことをさします。
高齢期の生き方として、サクセスフル・エイジングを実現するための理論の一つ。SOC理論(selective optimization with compensation)ともいわれるもので、正解です。
加齢による変化に対応するため、特定の目標に絞り(選択)ー機能低下を補う方法を獲得し(補償)—目標に最適な方策を行う(最適化)という理論です。
様々な理論が、どのような目的で、誰によって提唱されたか、整理しておきましょう。
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