公認心理師の過去問
第7回 (2024年)
午前 問31

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

公認心理師試験 第7回 (2024年) 午前 問31 (訂正依頼・報告はこちら)

摂食障害患者の症状評価のために用いられる心理検査として、最も適切なものを1つ選べ。
  • CES−D
  • EDI−2
  • EPDS
  • STAI
  • TAS−20

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

以下に解説します。

選択肢1. CES−D

抑うつ症状の程度を測定するためのスケールであり、摂食障害専用ではありません。

選択肢2. EDI−2

適切です。

EDI−2は、摂食障害の診断や症状評価に用いられる自己報告式の質問紙で、摂食障害の主な症状である体重に対する過剰な関心や自己評価の低さを評価することができます。EDI−2は、摂食障害(神経性無食欲症、過食症、その他の摂食関連障害)に関連する認知的、感情的な側面を測定するための重要なツールです。

選択肢3. EPDS

産後うつのスクリーニングツールで、摂食障害には特化していません。

選択肢4. STAI

不安症状を測定するツールで、摂食障害の症状評価には直接関連しませんが、関連する場合もあります。

選択肢5. TAS−20

アレキシサイミア(感情認識の障害)を測定するもので、摂食障害とは直接の関連性は薄いですが、一部の摂食障害患者に関連が見られることがあります。

参考になった数1

02

心理検査の知識に関する問題です。

 

この問題の正答は「EDI-2」です。

では、選択肢を見てみましょう。

選択肢1. CES−D

誤りです。

「CES-D」は、うつ病の自己評価尺度です。

15歳以上の方に用いることができます。過去一週間のうつ症状の頻度について患者さんが自己評価し、うつ病の可能性を検討します。

選択肢2. EDI−2

正答です。

「EDI-2」は、摂食障害インベントリー第2版と呼ばれる検査です。

患者さんの自己記入によって実施します。

やせ願望や身体不満足などの体型に関わる項目によって摂食障害の重症度を判断するだけでなく、対人不安や感情のコントロールなどの心理的な特性も測ることにより、治療のきっかけを検討することができます。

2024年9月には、「EDI-3」が発売されています。

選択肢3. EPDS

誤りです。

「EPDS」とは、エジンバラ産後うつ病質問票のことです。

産後うつのスクリーニングテストで、患者さんが自己記入で回答します。

選択肢4. STAI

誤りです。

「STAI」とは、ステイト・トレイト・アングザイアティ・インヴェントリーと読みます。「状態―特性不安尺度」で、不安の程度を測る検査です。

18歳以上の方に用いることができ、患者さんの自己記入によって実施します。

特性不安(心配しやすいなどの傾向)、状態不安(状況に対する不安など)について評価することができます。

選択肢5. TAS−20

誤りです。

「TAS-20」とは、トロント―アレキシサイミア尺度と呼ばれる検査で、失感情症の評価を行います。

14歳から成人の方に実施でき、患者さんの自己記入によって評価します。「感情の同定困難」「感情の伝達困難」「外的志向」の3尺度について検討することができます。

まとめ

心理検査は、検査の理論や方法について十分に学んでから実施することが求められます。時代の変化に併せて改訂もされますので、新しい情報にも目を向けておくことが大切です。

参考になった数1