公認心理師の過去問
第7回 (2024年)
午前 問43
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問題
公認心理師試験 第7回 (2024年) 午前 問43 (訂正依頼・報告はこちら)
職業倫理に配慮した公認心理師の対応として、最も適切なものを1つ選べ。
- 事例検討会の発表資料に記載するクライエントの居住地域の情報を、市町村名のみとした。
- 中学生のクライエントに心理検査を行う際、保護者のみに検査結果の取扱いについて説明をした。
- クライエントが自殺を遂行する決意と手段を面接で語り秘密を守るよう懇願した際、誰にも伝えなかった。
- 面接で知り得た情報を専門職間で共有する際、誰にどの範囲の情報を伝えてよいかクライエントに確認した。
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この過去問の解説 (2件)
01
以下に解説します。
公認心理師の職業倫理において、クライエントの秘密保持と情報共有の際の同意確認は非常に重要です。専門職間で情報を共有する場合、クライエントの意向を確認し、どの範囲まで伝えて良いかを明示することで、クライエントのプライバシーと信頼関係が守られます。
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02
職業倫理とは、特定の職業集団の中で定めている行動規範、問題解決の指針を言います。
メンタルヘルス領域の職業倫理について、次のような7つの原則がまとめられています(公認心理師現任者講習会テキストより)。
1.相手を傷つけない、傷つけるようなおそれのあることをしない。
2.十分な教育・訓練によって身につけた専門的な行動の範囲内で、相手の
健康と福祉に寄与する。
3.相手を利己的に利用しない。
4.一人ひとりを人間として尊重する。
5.秘密を守る
6.インフォームド・コンセントを得、相手の自己決定権を尊重する。
7.すべての人々を公平に扱い、社会的な正義と公正・平等の精神を具現する。
上記の内容を基に、問題について解説します。
では、選択肢を見てみましょう。
不適切な対応です。
公認心理師として事例検討により学ぶことは重要ですが、クライエントの個人情報を守ることを優先しなくてはいけません。よって、クライエントの居住地域を市町村まで明かすことは不適切です。居住地域は明かさずに行う方が良いと考えます。
不適切な対応です。
1人ひとりを尊重する考え、インフォームド・コンセントの観点より、中学生のクライエント自身に対しても基本的には結果説明をする必要があると言えます。中学生にもわかりやすい表現で伝える、保護者とクライエント別々に説明の場を設ける、クライエントの意思(結果を知りたいか、知りたくないかなど)を確認した上で説明するなど、検査結果が有意義なものになるよう十分な配慮が必要です。
不適切な対応です。
クライエントの秘密を守ることは大切です。第三者へ情報提供する場合は、基本的にクライエント本人の承諾を得ることが求められます。しかし、自殺の考え、虐待の可能性、犯罪を犯そうとする考えなど、生命に関わるような状況を把握した場合には、この限りではありません。必要に応じて、職場内で情報共有して対応する、他機関や家族へ情報提供するなど、命を守るための対応をすることが重要です。
適切な対応であり、この問題の正答です。
公認心理師と他職種間で情報共有することは、クライエントへの支援にとって有意味なものです。ただし、原則として公認心理師はクライエントの秘密を守る必要があります。そのため、情報共有したい時には、どのような目的で、誰に、何を、どのように伝えるのかを具体的にクライエントへ説明したり、これについてのクライエントの考えや気持ちを把握したりすることが大切です。このような秘密の扱いや情報提供について、丁寧に話し合うことが公認心理師とクライエントの信頼関係を高めることにもつながります。
公認心理師が行うカウンセリングや心理検査などは、基本的に公認心理師とクライエントが一対一で行うという特殊な状況です。他のスタッフが公認心理師の業務を見ていないことが多いということです。その状況で働く上で、クライエントはもちろん他のスタッフとの信頼関係を築くためにも、職業倫理を十分に理解し、誠意をもって仕事へ臨むことが必要です。一対一の関わりをする職であるからこその倫理もありますので、適切に対応できるよう知識や技術を身につけていきましょう。
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