公認心理師の過去問
第7回 (2024年)
午前 問53

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問題

公認心理師試験 第7回 (2024年) 午前 問53 (訂正依頼・報告はこちら)

生涯発達における、遺伝と環境及びそれらの交絡による影響を検討する上で用いられる研究手法として、適切なものを2つ選べ。
  • 環境評価
  • 双生児法
  • 脳機能計測
  • 養子研究法
  • DNA型鑑定法

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題では、生涯発達における遺伝と環境の影響を研究する手法について理解が求められます。

 

特に、遺伝要因と環境要因を分離して検討できる研究方法や、両者の交互作用を明らかにできる手法に注目する必要があります。

 

それぞれの研究手法の特徴と限界を把握することが重要です。

選択肢1. 環境評価

この選択肢は不適切です。環境評価は環境要因の影響を調べる上で重要ですが、単独では遺伝と環境の交絡を検討するには不十分です。遺伝要因との比較が難しいため、この研究目的には適していません。

選択肢2. 双生児法

この選択肢は適切です。一卵性双生児と二卵性双生児を比較することで、遺伝と環境の影響を分離して検討できます。遺伝的に同一の一卵性双生児の違いは環境の影響を示すため、有効な研究手法です。

選択肢3. 脳機能計測

この選択肢は不適切です。脳機能計測は個人の脳活動を調べる手法ですが、遺伝と環境の交絡を直接的に検討することは困難です。発達研究では補助的に用いられることはありますが、主要な研究手法ではありません。

選択肢4. 養子研究法

この選択肢は適切です。生物学的親と養親の影響を比較することで、遺伝と環境の影響を分離して検討できます。特に、遺伝的に無関係な養子と養親の類似性を調べることで、環境の影響を明らかにできます。

選択肢5. DNA型鑑定法

この選択肢は不適切です。DNA型鑑定法は個人の遺伝情報を特定する手法ですが、環境要因との交絡を直接的に検討することはできません。発達研究における遺伝と環境の影響を調べる主要な手法とは言えません。

まとめ

生涯発達における遺伝と環境の影響を研究する上で、双生児法と養子研究法は特に重要な手法です。

 

これらの方法は、遺伝要因と環境要因を分離して検討できる点で優れています。

 

双生児法では一卵性と二卵性双生児の比較、養子研究法では生物学的親と養親の影響の比較を通じて、遺伝と環境の交絡による影響を明らかにすることができます。

 

他の手法も補助的に用いられることがありますが、主要な研究手法としてはこの2つが重要です。

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02

発達に関する遺伝と環境の要因を研究するための手法について問われています。

 

この問題の正答は「双生児法」「養子研究法」です。

では、選択肢を見てみましょう。

選択肢1. 環境評価

誤りです。

人の発達において育った環境は大きく影響すると言えます。この選択肢は、環境に注目して検討することを指していると考えられますが、心理学の中では環境評価という用語はあまり聞かれません。

選択肢2. 双生児法

正答です。

双生児法とは、一卵性双生児と二卵性双生児を比較する方法です。それぞれ双子の知能や特性がどの程度似ているかを検討し、遺伝の影響について研究することができます。また、一卵性双生児については、別々の環境(同じ家庭で育っても社会的な状況が異なるなど)で過ごすことで環境の要因についても検討することが可能となります。

選択肢3. 脳機能計測

誤りです。

脳機能計測とは、脳の動きと心の状態の関連を検討する方法です。具体的には、fMRI、PET、MEGなどがあげられます。発達の研究に用いられることがあるかもしれませんが、遺伝や環境の要因について直接的に測るものではありません。

選択肢4. 養子研究法

正答です。

養子研究法とは、養子となった子どもと育てている親、産みの親をれぞれの類似性を検討する方法です。また、養子となった子どもと一緒に生活しているきょうだい、血のつながりのあるきょうだいの比較などの方法もあります。それによって、発達における遺伝と環境の影響を検討することができます。

選択肢5. DNA型鑑定法

誤りです。

DNA型鑑定法は、DNAを採取し個人の識別を行う方法です。親子関係の確認や犯罪捜査などに用いられます。発達における遺伝と環境の要因を検討する方法としては不適切と考えられます。

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