公認心理師の過去問
第7回 (2024年)
午前 問52

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

公認心理師試験 第7回 (2024年) 午前 問52 (訂正依頼・報告はこちら)

E. Rodolfa らが提唱した心理職の機能的コンピテンシーに該当するものを2つ選べ。
  • 多職種協働
  • スーパービジョン
  • 心理的アセスメント
  • 文化的ダイバーシティ
  • 倫理的・法的基準と政策

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

この問題では、E. Rodolfaらが提唱した心理職のコンピテンシーモデルについての理解が求められます。

 

基盤コンピテンシーと機能コンピテンシーの違いを把握し、それぞれに含まれる要素を正確に区別できることが重要です。

選択肢1. 多職種協働

この選択肢は不正解です。多職種協働は基盤コンピテンシーに含まれる要素であり、機能コンピテンシーではありません。

選択肢2. スーパービジョン

この選択肢は正解です。スーパービジョンは機能コンピテンシーの一つです。経験の浅い心理職に対して指導や助言を行う能力は、心理職の専門的な技能として重要な役割を果たします。

選択肢3. 心理的アセスメント

この選択肢は正解です。心理的アセスメントは機能コンピテンシーの中核的な要素の一つです。クライエントの心理状態を評価し、適切な支援方法を選択するための専門的な技能として位置づけられています。

選択肢4. 文化的ダイバーシティ

この選択肢は不正解です。文化的ダイバーシティへの配慮は基盤コンピテンシーに含まれる要素であり、機能コンピテンシーではありません。

選択肢5. 倫理的・法的基準と政策

この選択肢は不正解です。倫理的・法的基準と政策の理解は基盤コンピテンシーに含まれる要素であり、機能コンピテンシーではありません。

まとめ

E. Rodolfaらのコンピテンシーモデルでは、基盤コンピテンシーと機能コンピテンシーが区別されています。

 

機能コンピテンシーには、心理的アセスメント、介入、スーパービジョン、研究、管理、コンサルテーション、アドボカシーが含まれます。これらは心理職が実際に行う専門的な技能や業務に直接関連する能力を指します。

 

基盤コンピテンシーと混同しないよう注意が必要です。

参考になった数5

02

「コンピテンシー」とは、特定の専門家が、適切で効果的なやり方で業務を行う資格をもち、その専門職の倫理観や価値観に沿ったやり方で、適切な判断、批判的思考、そして意思決定ができることを意味します。

 

E.Rodolfaらは、さまざまな心理業務に共通する基礎コンピテンシー・モデルを提唱しています。

基盤コンピテンシー、機能コンピテンシー、職業的発達の3つの次元による立方体モデルで示されていることで有名です。

3つの次元の内容は次の通りです。

 

基盤コンピテンシー

 ・・・心理職に不可欠な姿勢、価値観、行動規範、倫理的姿勢など。

機能コンピテンシー・・・職務における技能など。

職業的発達・・・訓練と実践の水準。

 

では、選択肢を見てみましょう。

 

*この問題は「公認心理師現任者講習会テキスト2018年版」を引用、参考に解説しています。

選択肢1. 多職種協働

誤りです。

「多職種協働」は、基盤コンピテンシーに含まれます。

これは、他の職種の専門性を理解し、それぞれの専門性を活かした共同作業をする力を指しています。

選択肢2. スーパービジョン

正答です。

「スーパービジョン」は、機能コンピテンシーに含まれます。

これは、専門的な知識やスキルと効果的に教える力、学習者を適切にアセスメントしながら教育する力を指しています。

選択肢3. 心理的アセスメント

正答です。

「心理的アセスメント」は、機能コンピテンシーに含まれます。

これは、クライエントについて客観的にアセスメントを行い、必要な心理検査や支援を実施する力を指しています。

選択肢4. 文化的ダイバーシティ

誤りです。

「文化的ダイバーシティ」は、基盤コンピテンシーに含まれます。

これは、個人には様々な価値観や文化的背景があることを理解する、自分自身の価値観がクライエントとの関わりに影響することを理解する必要性を言っています。

選択肢5. 倫理的・法的基準と政策

誤りです。

「倫理的・法的基準と政策」は、基盤コンピテンシーに含まれます。

これは、倫理的概念や法律の知識を持ち、実践において適用する力を指しています。

まとめ

基盤コンピテンシーには、選択肢の他に「専門家としての姿勢」「反省的実践」「科学的知識と方法」「治療関係」の領域があります。

機能コンピテンシーには、「介入」「研究と評価」「管理・運営」「コンサルテーション」「アドボカシー」の領域があります。

いずれも公認心理師として働く上で重要な態度や理念ですので、しっかり理解できるよう努めましょう。

参考になった数2

03

この問題は、心理職の資質として求められるコンピテンシーには「基盤コンピテンシー」「機能的コンピテンシー」「職業的発達」の3つの軸で構成された立体的モデルがあり、それらの違いについて理解している必要があります。

選択肢1. 多職種協働

この選択肢は誤りです。多職種協働とは、他の専門職との協力的に作業を行うことであり、基盤コンピテンシーの1つです。

選択肢2. スーパービジョン

この選択肢は正しいです。スーパービジョンとは、心理職としての資質の向上のために行われる問題について指導者に助言をもらい支援に活用することで、機能的コンピテンシーのうちの1つです。

選択肢3. 心理的アセスメント

この選択肢は正しいです。心理的アセスメントとは、心理検査や面接などを用いることによってクライエントについて理解していくことであり、機能的コンピテンシーの1つです。

選択肢4. 文化的ダイバーシティ

この選択肢は誤りです。文化的ダイバーシティとは、様々な地域や背景をもつ人やその集団の文化の多様性を守り、配慮していくことであり基盤コンピテンシーの1つです。

選択肢5. 倫理的・法的基準と政策

この選択肢は誤りです。倫理的・法的基準と政策は、職業倫理の順守や法的基準の理解とそれらの活用のことであり基盤コンピテンシーの1つです。

まとめ

心理専門職の資質に関わる、基盤コンピテンシー、機能的コンピテンシー、職業的発達に含まれる各要素についてそれぞれ理解しておく必要があります。今回の、選択肢以外に含まれる要素についても確認しておくとよいでしょう。

参考になった数0