公認心理師の過去問
第7回 (2024年)
午前 問54
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問題
公認心理師試験 第7回 (2024年) 午前 問54 (訂正依頼・報告はこちら)
ナラティブ・セラピーにおけるセラピストのコミュニケーションの特徴として、適切なものを2つ選べ。
- クライエントへの質問を控える。
- クライエントの問題の外在化を図る。
- 「無知の姿勢」でクライエントに向き合う。
- 社会的通説で用いられる言語表現を意識して用いる。
- クライエントのドミナント・ストーリーの構築を促進する。
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題では、ナラティブ・セラピーにおけるセラピストのコミュニケーション特徴について理解が求められます。
ナラティブ・セラピーは、クライエントの語る物語に焦点を当て、問題を外在化し、新たな物語を共に構築していくアプローチです。
セラピストの姿勢や用いる技法、言語表現の特徴を正確に把握することが重要です。
この選択肢は不適切です。ナラティブ・セラピーでは、クライエントの物語を引き出し、新たな視点を探るために、適切な質問を積極的に行います。質問は重要なツールの一つです。
この選択肢は適切です。問題の外在化は、ナラティブ・セラピーの中核的な技法です。問題をクライエントから切り離して捉えることで、新たな視点や対処法を見出すことができます。
この選択肢は適切です。セラピストは専門家としての立場を脇に置き、クライエントの経験や知識を尊重する姿勢を取ります。これにより、クライエントの語りを深く理解することができます。
この選択肢は不適切です。ナラティブ・セラピーでは、社会的通説や固定観念にとらわれない、クライエント固有の言葉や表現を重視します。一般的な言語表現にこだわることはありません。
この選択肢は不適切です。ナラティブ・セラピーでは、問題に支配されたドミナント・ストーリーを解体し、新たなオルタナティブ・ストーリーの構築を目指します。ドミナント・ストーリーの強化は目的ではありません。
ナラティブ・セラピーでは、問題の外在化と「無知の姿勢」が重要なコミュニケーション特徴です。
社会的通説や固定観念にとらわれず、適切な質問を通じて新たな視点を探ります。
クライエント固有の表現を重視し、ドミナント・ストーリーからオルタナティブ・ストーリーへの移行を支援します。
これらの特徴を正確に把握することが重要です。
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02
ナラティブ・セラピーとは、社会構成主義の考え方を主としている手法です。
個人に起きている問題は、個人の性格や能力によるものでなく、社会的な関係性によるものという考え方をします。
ナラティブとは「物語」という意味です。この手法では、クライエントが話す物語を大切にします。困り感や苦しみのある物語から、問題を外在化したり、例外を見つけたりしながら、代替の物語を構築していきます。
セラピストはクライエントと平等な関係を持ち、対話しながら支援していくことが求められます。
では、選択肢を見てみましょう。
誤りです。
クライエントが問題を外在化したり、新しい見方を見つけたりできるような質問をしていくことが必要です。
正答です。
ナラティブ・セラピーでは、問題をクライエント個人のもの、個人の性格や能力であるものでなく、社会的な関係性によるものと考え、セラピーの中でも問題を外在化できるように援助します。問題が外在化されると、セラピストとクライエントが同じ視点で問題について考えることにつながります。
正答です。
セラピストは、クライエントについて何も知らない、教えてもらうという「無知の姿勢」で関わります。それによって、セラピストとクライエントが平等な関係で対話することができます。
誤りです。
ナラティブ・セラピーは、クライエントの語りを大切にします。言葉の表現も、一般的なものにこだわらず、クライエントから出てくる表現で対話をすることが良いと言えます。
誤りです。
ドミナント・ストーリーとは、困り感や苦しみを抱えている状況の物語を意味しています。ナラティブ・セラピーでは、オルタナティブ・ストーリー(代替えの物語)を見つけていく、構築することを目指します。
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