公認心理師 過去問
第7回 （2024年）
問68 (午前 問68)

この選択肢は不適切です。少年鑑別所は主に家庭裁判所の審判のための鑑別を行う一時的な施設であり、Aの1年間の入所状況とは一致しません。

この選択肢は不適切です。少年院は法務省管轄の矯正施設であり、より重度の非行少年を対象としています。Aの状況（開放処遇、一般学校への通学）とは一致しません。

この選択肢は不適切です。自立援助ホームは主に義務教育終了後の児童を対象とし、就労支援を行う施設です。Aの年齢（14歳）や学校通学の状況とは合致しません。

この選択肢が最も適切です。児童自立支援施設は、非行少年や要保護児童を対象とし、小舎制による家庭的な環境での生活指導、学習指導、作業指導を行います。Aの状況（年齢、非行歴、生活環境、開放処遇）と一致します。

この選択肢は不適切です。児童心理治療施設は主に情緒障害児を対象とし、心理療法を中心とした治療的支援を行う施設です。Aの非行歴や現在の生活状況とは一致しません。

誤りです。

少年鑑別所は、家庭裁判所の求めにより、少年の鑑別や観護処遇を行うための施設です。法務教官、心理技官、観護教官と呼ばれるような職種の方が教育や支援にあたります。少年の入所の理由には、非行を犯した、審判の必要性がある、逃亡のおそれがある、保護の必要性があるなどがあげられます。施設では、運動や面接、学習などの時間があり、規則正しい生活を送ります。

よって、問題文の内容と異なりますので、不適切な選択肢と言えます。

（法務省ホームページを参考に解説しています） 

誤りです。

少年院とは、在院者の特徴に応じた矯正教育、健全な育成に資する処遇、改善更生と円滑な社会復帰のための支援などが行われる施設です。家庭裁判所より保護処分として送致された少年が入所します。法務教官、法務技官と呼ばれる職種の方が教育や支援にあたります。

少年院は、犯罪の傾向や心身の状況によって５つの種類に分けられます。第１種少年院とは、心身に著しい障害のない、概ね１２歳から２３歳の少年が入所する場です。施設では、生活指導、職業指導、教科指導、体育指導などを実施しています。

よって、問題文の内容と異なりますので、不適切な選択肢と言えます。

（法務省ホームページを参考に解説しています）

誤りです。

自立援助ホームとは、なんらかの事情により家庭で過ごすことができず、働かざるを得なくなった１５歳から２０歳（事情によっては２２歳）が生活できる施設です。義務教育を修了している、他の社会的養護（児童養護施設、里親など）を解除された青少年、都道府県知事が認めた青少年が入所することができます。自立を目標とし、生活や就労、就学などのサポートを受けながら生活します。

よって、問題文の説明と異なりますので、不適切な選択肢と言えます。

（全国自立援助ホーム協議会ホームページを参考に解説しています）

正答です。

児童自立支援施設とは、不良行為をした児童（またはそのおそれがある児童）、家庭環境により生活改善を必要とする児童が入所する施設です（児童とは基本的に１８歳未満）。

家庭的な雰囲気の中で保護者に変わる職員と寝食を共に生活します。保育士や教員などが交替で勤めている施設もあれば、夫婦で支援をしている施設もあります。小中学生は施設内にある学校へ通い、義務教育を受けることができます。学校での勉強だけでなく、居住空間の掃除をするなど、自分たちの生活を整える活動も行います。

入所の決定は、児童相談所の措置による場合、家庭裁判所の保護処分による送致による場合などがあります。

よって、問題文の説明は、児童自立支援施設のものと考えることができます。

（全国児童自立支援施設協議会ホームページを参考に解説しています）

誤りです。

児童心理治療施設とは、心理（情緒）的、環境的に不適応を示している児童とその家族が入所できる施設です（児童は基本的に２０歳未満）。児童相談所が認めた場合の入所となります。

集団生活の中で、心理治療を行い、児童の成長、発達、自立を援助します。精神科医、心理職、保育士、児童指導員、教員などの専門職が支援に当たります。教育は地域の学校へ通ったり、施設内にある分教室や分校に通ったりして受けることができます。

よって、問題文の説明と異なりますので、不適切な選択肢と言えます。

（全国児童心理治療施設協議会ホームページを参考に解説しています）