公認心理師 過去問
第7回 (2024年)
問73 (午前 問73)

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問題

公認心理師試験 第7回 (2024年) 問73(午前 問73) (訂正依頼・報告はこちら)

23歳の男性A、小学3年生の担任教師。Aは、担任する学級の男児BについてスクールカウンセラーCに相談した。Aによると、Bはゲームが得意で、Aや他児と休み時間にゲームの話をすることが好きである。しかし、最近は、ゲームに登場するキャラクターの話を他児の様子も気にせず一方的に話し続け、他児はBとの関わりを拒否するようになってきている。また、Bは自分の思い通りにならない場面で、怒って授業中に教室外へ飛び出すことがよくあるという。Cは、Aの授業を観察後、AにBの支援に関する校内委員会での検討を勧めるとともに、Bや学級への具体的な支援について助言を行った。
CのAへの助言内容として、最も適切なものを1つ選べ。
  • Bを除く学級全体で怒りの対処について話し合う。
  • Bが教室外に出ようとしたときにその都度強く注意する。
  • ゲームのキャラクターのことについて学級で話をしないようにBに注意する。
  • 教室を飛び出したくなった際の対処の仕方やルールについて、Bと個別に話し合う。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題では、特別な支援を必要とする児童への適切な対応と、学級運営における教師の役割について理解することが重要です。

 

特に、児童の行動の背景にある要因を考慮し、個別の支援と学級全体への配慮のバランスを取ることが求められます。

 

また、スクールカウンセラーの役割と、教師への適切な助言の内容についても理解が必要です。

選択肢1. Bを除く学級全体で怒りの対処について話し合う。

この選択肢は不適切です。Bを除外することで、かえって孤立感を深める可能性があります。怒りの対処は学級全体で学ぶべき重要なスキルであり、Bも含めて取り組むべきです。

選択肢2. Bが教室外に出ようとしたときにその都度強く注意する。

この選択肢は不適切です。強い注意は、Bの行動の背景にある要因に対処せず、かえって反発心を強める可能性があります。より建設的なアプローチが必要です。

選択肢3. ゲームのキャラクターのことについて学級で話をしないようにBに注意する。

この選択肢は不適切です。Bの興味を否定することは、自尊心を傷つけ、コミュニケーションを阻害する可能性があります。代わりに、適切な会話の仕方を指導する方が効果的です。

選択肢4. 教室を飛び出したくなった際の対処の仕方やルールについて、Bと個別に話し合う。

この選択肢が最も適切です。Bの行動の背景を理解し、個別に適切な対処方法を話し合うことで、自己制御能力の向上を促すことができます。また、Bの意見を尊重しつつ、明確なルールを設定することで、安全性も確保できます。

まとめ

特別な支援を必要とする児童への対応では、個別の支援と学級全体への配慮のバランスが重要です。

 

行動の背景を理解し、肯定的なアプローチで自己制御能力の向上を促すことが効果的です。また、児童の興味や特性を尊重しつつ、適切な社会性スキルを育成することが大切です。

 

スクールカウンセラーは、これらの点を踏まえて教師に具体的かつ建設的な助言を行うことが求められます。

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02

この問題では、スクールカウンセラーとしての対応について問われています。

 

この学級では、次のような課題が見られます。

・Bが一方的に好きな話をするため、他児が拒否的な態度をとっている。

・Bは思い通りにならないと怒って教室の外へ飛び出してしまう。

 

これらについて、学級担任Aへの適切な助言を検討します。

では、選択肢を見てみましょう。

選択肢1. Bを除く学級全体で怒りの対処について話し合う。

不適切な対応です。

怒りの対処方法を学ぶことは、どの児童にとっても大切な事です。Bを含め学級全体で行う事が効果的と考えます。怒りの対処について学級全体が同じ知識を持つ事で、児童同士の声掛けや援助も期待できます。

選択肢2. Bが教室外に出ようとしたときにその都度強く注意する。

不適切な対応です。

Bは教室から飛び出してしまいますが、B自身も気持ちをコントロールできずに困ってしまった上での行動を考えられます。その困っている行動を強く注意するだけでは、改善は期待できません。Bを傷つける、学級内でのBの立場を悪くする事も心配されます。また、強く注意する事が刺激となり、Bがさらに気持ちを落ち着けにくくなることも想定されます。

選択肢3. ゲームのキャラクターのことについて学級で話をしないようにBに注意する。

不適切な対応です。

Bにとってゲームの話をする事が学校生活での楽しみですし、他の児童と関わるきっかけともなっています。一方的に話してしまうなどの課題はありますので、どのように話をするといいかを一緒に考えるような援助が必要と考えます。

選択肢4. 教室を飛び出したくなった際の対処の仕方やルールについて、Bと個別に話し合う。

適切な対応であり、この問題での正答です。

教室から飛び出したくなった時にはどうするといいか、Bが落ち着いている時に話し合う事が必要です。例えば、飛び出したくなったら先生に伝える、予め決めておいた部屋へ行くようにするなど、我慢するという事ではなく、安全で具体的な方法を決めておくことで、Bも過ごしやすくなると期待されます。

まとめ

スクールカウンセラーが担任教師へ助言する場合には、問題となっている児童の様子だけを見て助言するのでなく、学級全体の様子、担任教師の性格や経験、学校全体の体制など、広い視野で学校を見た上で助言内容を考えることが重要です。また、スクールカウンセラーが一方的に助言するのでなく、担任教師の意見もよく聴きながら、協同できるように努めましょう。

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