公認心理師の過去問
第7回 (2024年)
午後 問13
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問題
公認心理師試験 第7回 (2024年) 午後 問13 (訂正依頼・報告はこちら)
知覚狭小化(perceptual narrowing)の例として、生後6か月児は、ヒトもサルも個体間の顔の弁別ができるものの、その後、発達の過程で、サル個体間の顔の弁別能力が衰退していくことが挙げられる。
このことの解釈として、最も適切なものを1つ選べ。
このことの解釈として、最も適切なものを1つ選べ。
- 生後6か月以降に、視力が低下する。
- 顔の認知処理は、高い領域固有性を示す。
- 生後6か月児は、ヒトよりもサルの顔を選好する。
- 顔の全体処理の傾向は、発達が進むにつれて弱まる。
- 生活環境内での知覚経験により、認知機能が調整される。
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この過去問の解説 (1件)
01
この問題では、知覚狭小化(perceptual narrowing)という発達心理学の重要な概念について理解することが求められています。特に、乳児の顔認知能力の発達過程と、その背後にあるメカニズムについて考える必要があります。
各選択肢が示す解釈が、知覚狭小化の現象をどの程度適切に説明しているかを慎重に検討することが重要です。
この選択肢は不適切です。知覚狭小化は視力の低下ではなく、特定の刺激に対する認知処理の変化を指します。サルの顔の弁別能力の低下は、視力の問題ではありません。
この選択肢は不適切です。領域固有性は重要な概念ですが、知覚狭小化の直接的な説明にはなりません。この現象は、むしろ経験による認知機能の調整を示唆しています。
この選択肢は不適切です。問題文にはサルの顔への選好に関する記述はなく、むしろヒトとサルの顔の弁別能力が同等であることが示されています。
この選択肢は不適切です。一般的に、顔の全体処理能力は発達とともに向上すると考えられており、この選択肢は知覚狭小化の現象を適切に説明していません。
この選択肢が最も適切です。知覚狭小化は、生活環境での経験に基づいて認知機能が最適化される過程を示しています。ヒトの顔に多く接することで、ヒトの顔の弁別能力が維持・向上し、サルの顔の弁別能力が低下すると解釈できます。
知覚狭小化は、乳児期の広範な知覚能力が、環境との相互作用を通じて特定の刺激に特化していく現象です。
この過程で、頻繁に遭遇する刺激(例:ヒトの顔)に対する処理能力が向上し、稀な刺激(例:サルの顔)に対する能力が低下します。これは、認知資源を効率的に配分し、生活環境に適応するための重要なメカニズムと考えられます。
発達心理学において、この概念は言語獲得や社会的認知の発達にも適用されています。
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