公認心理師 過去問
第7回 (2024年)
問97 (午後 問20)

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問題

公認心理師試験 第7回 (2024年) 問97(午後 問20) (訂正依頼・報告はこちら)

認知療法におけるセラピストの治療姿勢を表す用語として、最も適切なものを1つ選べ。
  • 作業同盟
  • 治療共同体
  • 社会構成主義
  • 協同的経験主義
  • リフレクティング・チーム

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題では、認知療法におけるセラピストの基本的な姿勢や治療アプローチについての理解が求められています。

 

特に、認知療法の特徴的な治療関係や介入方法に関する知識が重要です。各選択肢が示す概念の特徴と、認知療法の基本原則との整合性を慎重に検討する必要があります。

選択肢1. 作業同盟

この選択肢は不適切です。作業同盟は治療関係の重要な側面ですが、認知療法に特有のセラピストの姿勢を表す用語ではありません。

選択肢2. 治療共同体

この選択肢は不適切です。治療共同体は主に集団療法や入院治療の文脈で用いられる概念で、認知療法のセラピストの姿勢を直接表すものではありません。

選択肢3. 社会構成主義

この選択肢は不適切です。社会構成主義は現実が社会的に構築されるという考え方ですが、認知療法のセラピストの基本的姿勢を表すものではありません。

選択肢4. 協同的経験主義

この選択肢が最も適切です。協同的経験主義は、認知療法におけるセラピストとクライアントの協力的な関係性と、経験的な検証を重視する姿勢を表す用語です。

選択肢5. リフレクティング・チーム

この選択肢は不適切です。リフレクティング・チームは主にシステミック・アプローチで用いられる技法で、認知療法のセラピストの基本的姿勢を表すものではありません。

まとめ

認知療法における「協同的経験主義」は、セラピストとクライアントが協力して問題解決に取り組み、認知や行動の変化を経験的に検証していく姿勢を表します。

 

この概念は、クライアントを自身の問題の専門家として尊重し、セラピストがガイドとしての役割を果たすという認知療法の基本原則を反映しています。また、他の心理療法アプローチとの違いを認識し、適切に使い分けることも求められます。

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02

認知療法とは、認知の歪みに気づき、修正することによって、課題解決やストレスの緩和を目指す手法です。

 

この問題の正答は、「協同的経験主義」です。

では、選択肢を見てみましょう。

選択肢1. 作業同盟

誤りです。

「作業同盟」とは、クライエントとカウンセラーが情緒的な信頼関係を築き、取り組む課題や目標を共有しながらカウンセリングを進めていく関係を言います。

選択肢2. 治療共同体

誤りです。

「治療共同体」とは、精神疾患や依存症などの生きづらさを抱えている当事者と支援者のグループにおいて、互いに対等な関係を持ちながら生活や活動に取り組んでいくことによって治療していくという考え方を指しています。

選択肢3. 社会構成主義

誤りです。

「社会構成主義」とは、社会の中にある評価や評判はコミュニケーションの中で生まれると考えるものです。例えば、性別について生物学的に異なる点ではないのに、「男性は働く。女性は家庭を守る」のような捉え方がありますが、これは社会のコミュニケーションの中で作られたものと言えます。

選択肢4. 協同的経験主義

正答です。

「協同的経験主義」とは、クライエントとカウンセラーが一緒に課題や解決策について考えていく姿勢を言っており、認知療法におけるカウンセラーの基本的な態度とされています。

選択肢5. リフレクティング・チーム

誤りです。

「リフレクティング」とは、相談者と支援者によるチームの中で、参加者同士で課題について対話をする、他の参加者同士の対話を観察するなどしながら、相談者が課題について客観的に考えたり、考えをまとめたりする手法を言います。この対話を行うチームを「リフレクティング・チーム」と呼びます。

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