公認心理師 過去問
第7回 (2024年)
問102 (午後 問25)

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問題

公認心理師試験 第7回 (2024年) 問102(午後 問25) (訂正依頼・報告はこちら)

覚せい剤の使用を中止した後、不眠、ストレス、飲酒、少量の再使用などによって、以前使用したときと同様の幻覚や妄想などが生じる現象として、最も適切なものを1つ選べ。
  • 再燃
  • 耐性
  • 中毒
  • 乱用
  • 離脱

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この過去問の解説 (3件)

01

覚せい剤は依存性が高く、慢性中毒に陥り、覚せい剤精神障害を生じさせます。

精神・身体・社会面共に大きな支障をきたす恐れのあるものです。

選択肢1. 再燃

正解です。

乱用を断ち切り、治療で元の生活に戻ったと思っても、ストレスや飲酒など、ささいなきっかけで突然、幻覚・妄想などの精神障害が再燃することがあります。「フラッシュバック(自然再燃現象)」とも呼ばれます。

 

選択肢2. 耐性

誤りです。

耐性とは、効き目が現れるまでの量が増え、慣れていくことです。この耐性が酒・煙草などに比較して依存症になる量に到達するまでが非常に早く、コントロール出来ないことが特徴です。

選択肢3. 中毒

誤りです。

中毒とは、覚せい剤を大量に摂取することで生じます。

主な症状として震え、不安、興奮、頻呼吸、幻覚などの症状や血圧上昇、散瞳などがあります。
 

選択肢4. 乱用

誤りです。

乱用とは、覚せい剤などの規制薬物の使用や、本来の目的や方法から逸脱した医薬品の使用のことです。

選択肢5. 離脱

誤りです。

薬物摂取を急に断つことで生じる症状のことです。不安、手足の震え、発汗、痙攣発作、抑うつ気分、幻覚などがあります。

まとめ

それぞれの用語の整理をしておきましょう。

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02

以下に解説します。

選択肢1. 再燃

正解です。覚せい剤再燃現象とは、覚せい剤の使用を中止した後でも、ストレス、不眠、飲酒、少量の覚せい剤の再使用などの要因によって、過去の覚せい剤使用時に経験した症状(幻覚や妄想など)が再び現れる現象を指します。この現象は、覚せい剤が体内に残っていない状態でも起こることがあります。

選択肢2. 耐性

薬物を使用し続けることで、同じ効果を得るために必要な量が増加する現象です。幻覚や妄想が生じる現象とは異なります。

選択肢3. 中毒

薬物への身体的・心理的依存状態を指し、再燃とは異なる概念です。

選択肢4. 乱用

薬物を適切ではない方法や目的で使用することです。再燃の現象そのものを指すわけではありません。

選択肢5. 離脱

薬物の使用を中止した際に生じる身体的・心理的症状(離脱症状)です。幻覚や妄想が再燃する現象ではなく、むしろ不安や抑うつが典型的です。

参考になった数0

03

この問題で覚えておくべきポイントは以下のとおりです。

薬物依存症に関連した症状について、問われています。

では、問題を見てみましょう。

選択肢1. 再燃

フラッシュバックと呼ばれる症状ですので、正解です。少量の使用だけでなく、問題文のように、ストレス、不眠など、小さなきっかけで、幻覚・妄想といった症状がみられることがあります。

選択肢2. 耐性

ある薬物が効かなくなり、量を増やす必要が生じる状態を指しますので、間違いです。覚せい剤などの依存性薬物は、効き目が少なくなるため、量を増やなければならなくなります。

選択肢3. 中毒

体内に薬物があることによる症状が出現することを指しますので、間違いです。依存とは異なり、体外にでてしまえば、症状はなくなります。

選択肢4. 乱用

薬物など、本来の使用方法を無視して、無計画に多用することを指しますので、間違いです。

選択肢5. 離脱

薬物をやめたときに、身体的に不快な症状(震え、大量の汗など)が出現することを指しますので、間違いです。

まとめ

薬物依存症からの回復には長い時間がかかり、心理的サポートは重要な役割を担います。どのような症状が、いつ生じて、どのようにサポートしていくことが望ましいか、整理して覚えておきましょう。

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