公認心理師の過去問
第7回 (2024年)
午後 問29

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問題

公認心理師試験 第7回 (2024年) 午後 問29 (訂正依頼・報告はこちら)

射乳や子宮収縮を促す作用があり、近年は社会性行動との関連が指摘されているホルモンとして、適切なものを1つ選べ。
  • グレリン
  • オレキシン
  • オキシトシン
  • バソプレシン
  • プロラクチン

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この過去問の解説 (2件)

01

それぞれのホルモンの機能を押さえ、生殖系ホルモンに関しては社会性との関連を紐づけて覚えるようにしましょう。

選択肢1. グレリン

誤りです。

「グレリン」は胃から分泌される食欲ホルモンで、食欲亢進や脂肪蓄積などの生理作用があります。

選択肢2. オレキシン

誤りです。

脳内物質・神経伝達物質のひとつとなるオレキシンは睡眠と深く関係しています。オレキシンのバランスが良質な睡眠に寄与します。

選択肢3. オキシトシン

正解です。

オキシトシンは赤ちゃんが乳頭を吸引することによって分泌される母乳を出すためのホルモンです。また、オキシトシンは出産時は分娩を促し、出産後は子宮の収縮を促進する働きも持っています。

心身に様々なポジティブな影響を与えるホルモンとも認識されています。

選択肢4. バソプレシン

誤りです。バソプレシンは、視床下部で合成される利尿を抑えるホルモンであり、脳から放出され腎臓に働いて、利尿を抑えることが知られています。

選択肢5. プロラクチン

誤りです。

プロラクチンは乳腺の発達を促したり、乳汁を分泌したりする働きがあります。また、排卵を抑制する働きも有しています。

まとめ

オキシトシンは射乳や子宮収縮を促す作用があります。

それだけではなく、オキシトシンは幸福感を感じやすく、ストレスや不安の低減、集中力の向上、ポジティブな気持ちに関与するといわれています。

オキシトシン増加に伴って分泌されるセロトニンは安心感やメンタル面の安定に寄与することが明らかになっています。

生殖関連のホルモンと社会性に関する事象についてまとめておきましょう。

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02

この問題で押さえておくポイントは、各種ホルモンの機能と作用、特に生殖や社会性行動に関連するホルモンの役割です。

 

射乳や子宮収縮といった生殖関連の機能と、近年注目されている社会性行動への影響を併せ持つホルモンを識別することが重要です。

選択肢1. グレリン

グレリンは主に胃で分泌され、食欲増進や成長ホルモン分泌促進に関与するホルモンです。射乳や子宮収縮との直接的な関連は知られておらず、社会性行動への影響も限定的です。

選択肢2. オレキシン

オレキシンは視床下部で産生され、覚醒や食欲調節に関与するペプチドホルモンです。射乳や子宮収縮を促す作用は報告されておらず、社会性行動との直接的な関連も確立されていません。

選択肢3. オキシトシン

オキシトシンは下垂体後葉から分泌されるホルモンで、射乳作用と子宮収縮作用を持ちます。また、近年の研究で社会的絆の形成や信頼感、共感性など社会性行動との関連が指摘されています。

選択肢4. バソプレシン

バソプレシンは下垂体後葉から分泌され、主に体内の水分調節に関与するホルモンです。社会性行動への影響が示唆されていますが、射乳や子宮収縮を直接促す作用は持ちません。
 

選択肢5. プロラクチン

プロラクチンは下垂体前葉から分泌され、乳腺の発達や乳汁産生を促進するホルモンです。射乳には関与しますが、子宮収縮を直接促す作用は持ちません。社会性行動との関連も限定的です。

まとめ

オキシトシンは生殖機能と社会性行動の両面で重要な役割を果たすホルモンです。

 

射乳や子宮収縮といった生理的作用に加え、社会的絆の形成や信頼感、共感性などの社会性行動にも影響を与えます。

 

ホルモンの多面的な機能を理解し、特にオキシトシンの生理学的作用と心理学的影響の両面を把握することが重要です。

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