公認心理師の過去問
第7回 (2024年)
午後 問38

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問題

公認心理師試験 第7回 (2024年) 午後 問38 (訂正依頼・報告はこちら)

2006年にアメリカ心理学会が示した「心理学におけるエビデンスに基づく実践(EBPP)」の趣旨に沿って支援方針を決定する際の手続に含まれないものを1つ選べ。
  • システマティックレビューから知見を得る。
  • 治療関係についての質的研究から知見を得る。
  • 治療技法に関するクライエントの希望を考慮する。
  • ランダム化比較試験に基づく効果研究から知見を得る。
  • クライエントの文化的背景によらず、標準的な支援法を選択する。

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題で押さえておくポイントは、エビデンスに基づく心理学的実践(EBPP)の基本的な考え方と手順です。

 

EBPPは、最良の研究成果、臨床的専門性、そしてクライエントの特性や文化、選好を統合することを目指しています。

 

支援方針を決定する際には、様々な種類のエビデンスを考慮し、クライエントの個別性を尊重することが重要です。

選択肢1. システマティックレビューから知見を得る。

これはEBPPの重要な手順の一つです。システマティックレビューは、特定のテーマに関する研究結果を包括的に分析し、信頼性の高い知見を提供します。
 

選択肢2. 治療関係についての質的研究から知見を得る。

質的研究も重要なエビデンスの源泉です。治療関係の質は心理療法の効果に大きく影響するため、この知見を得ることはEBPPの趣旨に合致します。
 

選択肢3. 治療技法に関するクライエントの希望を考慮する。

クライエントの希望や選好を考慮することは、EBPPの重要な要素です。これにより、クライエントの個別性を尊重し、治療への参加意欲を高めることができます。
 

選択肢4. ランダム化比較試験に基づく効果研究から知見を得る。

ランダム化比較試験は、治療効果を科学的に検証する最も厳密な方法の一つです。これらの研究から得られる知見は、EBPPにおいて非常に重要です。
 

選択肢5. クライエントの文化的背景によらず、標準的な支援法を選択する。

この選択肢はEBPPの趣旨に反します。EBPPでは、クライエントの文化的背景を考慮し、個別化された支援を提供することが重要とされています。

まとめ

エビデンスに基づく心理学的実践(EBPP)は、科学的研究成果、臨床的専門性、クライエントの特性や希望を統合することを目指します。

 

支援方針の決定には、システマティックレビュー、質的研究、ランダム化比較試験などの多様なエビデンスを考慮し、同時にクライエントの文化的背景や個別性を尊重することが重要です。

 

標準化された方法を無批判に適用するのではなく、個々のクライエントに最適な支援を提供することがEBPPの本質です。
 

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