公認心理師の過去問
第7回 (2024年)
午後 問39

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問題

公認心理師試験 第7回 (2024年) 午後 問39 (訂正依頼・報告はこちら)

こども家庭庁が示す児童養護施設運営指針などにおける、「社会的養護の原理」に含まれないものを1つ選べ。
  • 集団養育の推進
  • 回復をめざした支援
  • 発達の保障と自立支援
  • 継続的支援と連携アプローチ
  • ライフサイクルを見通した支援

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題で押さえておくポイントは、社会的養護の基本的な原理と方針です。

 

こども家庭庁が示す児童養護施設運営指針における「社会的養護の原理」は、子どもの最善の利益を追求するための重要な指針となっています。

 

これらの原理は、子どもの健全な成長と発達を支援し、自立を促進するための基本的な考え方を示しています。

選択肢1. 集団養育の推進

この選択肢は社会的養護の原理としては適切ではありません。現代の社会的養護では、できるだけ家庭的な環境での養育が重視され、大規模な集団養育は推奨されていません。
 

選択肢2. 回復をめざした支援

社会的養護の重要な原理の一つです。虐待や neglect などのトラウマを経験した子どもたちの心理的・情緒的回復を目指す支援は不可欠です。
 

選択肢3. 発達の保障と自立支援

これは社会的養護の中核的な原理です。子どもの健全な発達を保障し、将来の自立に向けた支援を行うことは、社会的養護の重要な目標です。
 

選択肢4. 継続的支援と連携アプローチ

社会的養護における重要な原理です。子どもの成長に応じた継続的な支援と、関係機関との連携は、効果的な支援のために不可欠です。
 

選択肢5. ライフサイクルを見通した支援

これも社会的養護の重要な原理です。子どもの現在だけでなく、将来の人生全体を見据えた長期的な視点での支援が重要とされています。

まとめ

社会的養護の原理は、子どもの最善の利益を追求するための基本的な指針です。

 

回復を目指した支援、発達の保障と自立支援、継続的支援と連携アプローチ、ライフサイクルを見通した支援などが重要な原理として挙げられます。

 

これらの原理は、個別的で家庭的な養育環境の提供、トラウマからの回復支援、長期的視点での自立支援、関係機関との連携などを通じて実践されます。

 

社会的養護に携わる専門家は、これらの原理を十分に理解し、実践に活かすことが求められます。

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社会的養護は、子どもの権利擁護を図るための仕組みであり、「子どもの最善の利益のために」「すべての子どもを社会全体で育む」ことをその基本理念としています。

選択肢1. 集団養育の推進

この記述は「社会的養護の原理」に含まれません。

児童養護施設運営指針では、社会的養護を地域から切り離したり、大規模な施設養護へ移すのではなく、できるだけ家庭的な環境で養育する「家庭的養護」と、個々の子どもの育みを丁寧にきめ細かく進めていく「個別化」が必要であると定めています。

選択肢2. 回復をめざした支援

社会的養護を必要とする子どもは、虐待体験などによる回復をめざした専門的ケアや心理的ケアなどの治療的な支援も必要となります。その為、この記述は「社会的養護の原理」に含まれます。
 

選択肢3. 発達の保障と自立支援

社会的養護は、未来の人生を作り出す基礎となるよう、子ども期の健全な心身の発達の保障を目指して行われています。その為、この記述は「社会的養護の原理」に含まれます。

選択肢4. 継続的支援と連携アプローチ

児童相談所等の行政機関、里親等の様々な社会的養護の担い手が、巧みに連携し合い、継続的な親子の支援を目指していく連携アプローチが求められています。その為、この記述は「社会的養護の原理」に含まれます。

選択肢5. ライフサイクルを見通した支援

社会的養護の下で育った子どもたちが社会に出てからも、委託先に帰属意識を持つことができる存在になっていくことが重要です。また、世代を繋いで繰り返されていく子育てのサイクルへの支援や虐待や貧困の世代間連鎖を断ち切っていけるような支援が求められています。その為、この記述は社会的養護の原理に含まれます。

まとめ

「社会的養護の原理」には、①家庭的養護と個別化  ②発達の保障と自立支援 ③回復をめざした支援 ④家族との連携⑤継続的支援と連携アプローチ ⑥ライフサイクルを見通した支援 があります。これらの原理をよく理解することが重要です。

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