公認心理師の過去問
第7回 (2024年)
午後 問59

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問題

公認心理師試験 第7回 (2024年) 午後 問59 (訂正依頼・報告はこちら)

大学生40人が20人ずつAとBの2群に割り当てられ、両群とも実験室で極めて退屈な作業課題に1時間従事した後、別の参加者にその課題が面白かったと伝えるよう指示された。ただし、A群の実験参加に対する謝金は300円であり、B群の謝金は6,000円であった。作業後に、作業がどの程度楽しかったかについて評定を求めたところ、A群の楽しさの平均値はB群の楽しさの平均値よりも有意に高かった。
この現象を説明する理論として、最も適切なものを1つ選べ。
  • 役割理論
  • SVR理論
  • バランス理論
  • 社会的比較理論
  • 認知的不協和理論

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題では、態度変容と自己認知に関する心理学理論の理解が求められます。

 

特に、行動と態度の不一致が生じた際に、人がどのように自己の態度を調整するかについての知識が重要です。

 

実験の設定、謝金の差異、そして結果の解釈に注目する必要があります。

選択肢1. 役割理論

この選択肢は不適切です。役割理論は社会的地位や期待される行動パターンに焦点を当てていますが、この実験結果を直接説明するものではありません。

選択肢2. SVR理論

この選択肢は不適切です。SVR(Stimulus-Value-Role)理論は対人関係の発展過程を説明するものであり、この実験の結果とは直接関連しません。

選択肢3. バランス理論

この選択肢は不適切です。バランス理論は人々の態度の一貫性を説明しますが、この実験での謝金の差異と態度変化を十分に説明できません。

選択肢4. 社会的比較理論

この選択肢は不適切です。社会的比較理論は他者との比較による自己評価を説明しますが、この実験では他者との比較が主要な要因ではありません。

選択肢5. 認知的不協和理論

この選択肢が正解です。認知的不協和理論は、態度と行動の不一致から生じる心理的不快感とその解消過程を説明します。低謝金群(A群)は、退屈な作業を面白いと言う行動と実際の感情の不一致を解消するため、態度を変化させたと考えられます。

まとめ

この実験結果は認知的不協和理論によって最もよく説明されます。

 

低謝金群は行動(面白いと言うこと)と態度(実際の感情)の不一致を解消するため、態度を変化させました。一方、高謝金群は外的な正当化(高い報酬)があるため、態度を変える必要がありませんでした。

 

この理論は、人が自己の一貫性を保つために態度を変化させる過程を説明し、態度変容や自己認知の研究において重要な役割を果たしています。

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