公認心理師の過去問
第7回 (2024年)
午後 問60
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問題
公認心理師試験 第7回 (2024年) 午後 問60 (訂正依頼・報告はこちら)
1歳6か月の女児A、乳児保育園に通園中。Aは、1か月前に入園後、登園時における母親Bからの分離不安が強く、執拗に激しく泣き続ける。そのため、Bが耐えられなくなり、そのまま家に連れ帰ったことも数回ある。分離が可能な日も、園では長くぐずった状態が続き、とりわけ担当保育者に対するしがみつきや後追いが、ほぼ1日中、持続してしまうこともある。夕方、Bが迎えに来ると、AはすぐにBに近接しようとするが、怒りながら泣き叫ぶことが多く、容易になだめられない。
Aの行動の特徴として、最も適切なものを1つ選べ。
Aの行動の特徴として、最も適切なものを1つ選べ。
- 回避型アタッチメント
- 脱抑制型対人交流障害
- 反応性アタッチメント障害
- アンビバレント型アタッチメント
- 無秩序・無方向型アタッチメント
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題では、幼児の分離不安とアタッチメント(愛着)の種類について理解することが重要です。
特に、母子分離時の反応、保育者との関係、再会時の行動に注目し、それらがどのようなアタッチメントパターンを示唆するかを考察する必要があります。
この選択肢は不適切です。回避型アタッチメントの子どもは、分離時に強い反応を示さず、再会時も養育者を無視する傾向があります。Aの激しい分離不安や再会時の強い反応とは一致しません。
この選択肢は不適切です。脱抑制型対人交流障害は、見知らぬ大人に対しても無差別に親密な行動を示す特徴があります。Aの担当保育者へのしがみつきは、この障害の特徴とは異なります。
この選択肢は不適切です。反応性アタッチメント障害は、養育者との愛着関係が形成されていない状態を指します。Aは母親との強い愛着を示しているため、この障害には当てはまりません。
この選択肢が最も適切です。アンビバレント型アタッチメントの特徴は、分離時の強い不安と抵抗、再会時の怒りと接近の混在した反応、養育者への過度の依存などです。Aの行動はこれらの特徴と一致しています。
この選択肢は不適切です。無秩序・無方向型アタッチメントは、一貫性のない矛盾した行動パターンを示します。Aの行動には一貫したパターン(分離不安と再会時の両価的反応)が見られるため、この型には当てはまりません。
アタッチメントの種類と特徴を理解することは、幼児の行動を解釈する上で重要です。
アンビバレント型アタッチメントは、分離時の強い不安、再会時の両価的反応(接近と怒り)、養育者への過度の依存が特徴です。
この事例では、Aの分離不安、保育者へのしがみつき、再会時の怒りと近接欲求の混在した反応が、アンビバレント型アタッチメントを示唆しています。
他のアタッチメントパターンや障害との違いを理解し、適切な支援方法を考えることが重要です。
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02
エインズワースが提唱した乳幼児の愛着(アタッチメント)を測定するストレンジシチュエーションの4つのタイプにおける反応と、DSM-5における精神医学的診断の知識が必要となってきます。
誤りです。
ストレンジ・シチュエーション法における回避型の子どもは、再開場面において母親に対して明らかに回避する傾向があり、母親を無視する場合もあります。
誤りです。
小児期の脱抑制型対人交流障害は、誰にでも見境なく愛着行動を示す障害のことです。
この事例は母との分離不安が高い為、この障害に該当しません。
誤りです。
反応性アタッチメント障害では他者との交流を抑制するという対処行動を示す障害のことです。
この事例は母を求めているので、この障害に該当しません。
正解です。
アンビバレント型アタッチメントでは、否定的感情が落ち着きにくく、親に不安から離れがたいという気もちと否定的な怒りの両価的態度を見せます。この事例に適した反応といえます。
誤りです。
はっきりとした親に向けた行動がなく、また首尾一貫せず、極端に混乱した様子が見られるタイプです。
ストレンジ・シチュエーション法における愛着反応は、回避型、安定型、アンビバレント型、無秩序・無方向型の4つのタイプに分けられます。
小児期の脱抑制型対人交流障害は、誰にでも見境なく愛着行動を示す障害のことです。それとは逆に反応性アタッチメント障害では他者との交流を抑制するという対処行動を示します。それぞれ整理しておきましょう。
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