公認心理師の過去問
第7回 (2024年)
午後 問61
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問題
公認心理師試験 第7回 (2024年) 午後 問61 (訂正依頼・報告はこちら)
65歳の男性A、自営業。家族に連れられて精神科クリニックを受診した。家族によると、Aは、3年前から、睡眠中に大声を出したり、手足を振り回したりするようになった。また、1年前から孫の名前を思い出せなくなり、日常生活での物忘れも増えたが、後で思い出すことも多かった。この頃から、Aは、「廊下で子どもが遊んでいる」、「靴から虫がたくさん出てくる」、「自分の布団に子どもが寝ている」などと訴えるようになったが、家族が確認してもその事実はなかった。さらに、散歩中に足が動きにくくなり転倒が増えた。絵画教室にも通っていたが、以前のようには描けなくなり、いらいらすることも増えた。
Aの病態の理解として、最も適切なものを1つ選べ。
Aの病態の理解として、最も適切なものを1つ選べ。
- 統合失調症
- 前頭側頭型認知症
- Lewy小体型認知症
- Alzheimer型認知症
- 変換症/転換性障害(機能性神経症状症)
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この過去問の解説 (1件)
01
この問題では、高齢者の認知症の種類と症状の理解が重要です。
特に、記憶障害、幻視、睡眠障害、運動症状などの複合的な症状パターンを正確に把握し、各種認知症の特徴と照らし合わせる能力が求められます。
この選択肢は不適切です。統合失調症は主に幻覚や妄想が特徴ですが、この症例では記憶障害や運動症状が顕著であり、統合失調症の典型的な症状パターンとは一致しません。
この選択肢は不適切です。前頭側頭型認知症は主に性格変化や行動異常が特徴ですが、この症例では幻視や運動症状が顕著であり、前頭側頭型認知症の典型的な症状とは異なります。
この選択肢が最も適切です。Lewy小体型認知症の特徴である幻視、レム睡眠行動障害、パーキンソン症状、認知機能の変動などがこの症例に一致しています。幻視や睡眠中の異常行動、歩行困難などの症状が典型的です。
この選択肢は不適切です。Alzheimer型認知症は主に記憶障害が特徴ですが、この症例では幻視や睡眠障害、運動症状が顕著であり、Alzheimer型認知症の典型的な症状パターンとは一致しません。
この選択肢は不適切です。変換症は心理的要因による身体症状が特徴ですが、この症例では認知機能低下や幻視など、器質的な脳の障害を示唆する症状が見られるため、変換症とは考えにくいです。
Lewy小体型認知症の特徴的な症状パターンを理解することが重要です。
幻視、レム睡眠行動障害、パーキンソン症状、認知機能の変動が主な症状です。他の認知症との鑑別点として、幻視の内容や睡眠障害の性質、運動症状の出現などに注目します。
また、症状の経過や進行速度も診断の手がかりとなります。認知症の各タイプの特徴を比較し、症例の症状パターンと照らし合わせる能力を養うことが大切です。
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