公認心理師の過去問
第7回 (2024年)
午後 問65

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問題

公認心理師試験 第7回 (2024年) 午後 問65 (訂正依頼・報告はこちら)

40歳の女性A、夫Bと二人暮らし。Bが健康診断で肝機能障害を指摘されたため、AはBの付き添いで総合病院に来院した。Bは2年前にアルコール関連の問題を起こし、職場で処分を受けた。しかし、その後も、Bの飲酒量は減らず、半年前から欠勤が増えている。Aは、飲酒を止めるように常に言い聞かせ、健康に配慮した食事を作るなど、懸命にBをサポートしている。一方で、酔ったBから暴力を受け、不眠がちになり、両親から離婚を勧められたが、「Bには私が必要だから」と言って同意しない。担当医はBの入院治療を提案したが、Aは、「私が世話をできるので入院は不要です」と言って、頑なに拒否する。
Aの状態の理解として、最も適切なものを1つ選べ。
  • 共依存
  • 抑うつ
  • 誇大妄想
  • 情動麻痺
  • 見当識障害

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題では、アルコール依存症の配偶者が示す特徴的な行動パターンと心理状態を理解することが重要です。

 

特に、過度な献身や自己犠牲、問題の否認、そして依存者との関係性に注目する必要があります。

選択肢1. 共依存

この選択肢が最も適切です。Aは夫のアルコール問題に過度に巻き込まれ、自己犠牲的な行動を取っています。夫の健康や生活を管理しようとし、自身の健康や幸福を犠牲にしても関係を維持しようとする態度は、共依存の典型的な特徴です。

選択肢2. 抑うつ

この選択肢は不適切です。Aには不眠の症状が見られますが、抑うつ状態の主要な症状である気分の落ち込みや興味・喜びの喪失は明確には示されていません。

選択肢3. 誇大妄想

この選択肢は不適切です。Aの行動は自己犠牲的であり、自分の能力を過大評価する誇大妄想の特徴とは一致しません。

選択肢4. 情動麻痺

この選択肢は不適切です。情動麻痺は感情反応の鈍化や欠如を特徴としますが、Aは夫に対して強い感情的な関与を示しており、情動麻痺の状態とは言えません。

選択肢5. 見当識障害

この選択肢は不適切です。見当識障害は時間、場所、人物の認識に問題がある状態を指しますが、Aにはそのような症状は見られません。

まとめ

共依存は、アルコール依存症など問題を抱える人の家族や配偶者によく見られる心理状態です。

 

自己犠牲的な行動、問題の否認、過度な責任感、自己価値の低下などが特徴です。共依存者は依存者の問題解決に過度に巻き込まれ、自身の健康や幸福を犠牲にしてしまいます。

 

この状態を理解し、適切な支援や介入方法を知ることが、アルコール依存症患者の家族支援において重要です。
 

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