公認心理師の過去問
第7回 (2024年)
午後 問66

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

公認心理師試験 第7回 (2024年) 午後 問66 (訂正依頼・報告はこちら)

9歳の男児A、小学3年生。母親BがAの家庭や学校の様子を心配に思い、スクールカウンセラーに相談した。Bによると、Aは、幼少時から全般的な発達に遅れはなかった。しかし、熱心に取り組もうとはするものの、一人で着替えるのに時間がかかり、箸やスプーンを使うことも苦手である。縄跳びや自転車に乗ることがうまくできない。また、書字では、マス目に沿って書くことができなかったり、力を入れすぎてノートを破ったりするため、学校生活に支障が出始めている。
DSM−5に基づくAの病態の理解として、最も適切なものを1つ選べ。
  • 脱抑制型対人交流障害
  • 常同運動症/常同運動障害
  • 反抗挑発症/反抗挑戦性障害
  • トゥレット症/トゥレット障害
  • 発達性協調運動症/発達性協調運動障害

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (1件)

01

この問題では、児童の発達における特定の困難さを理解し、DSM-5に基づいて適切に診断する能力が求められます。

 

特に、運動スキル、日常生活動作、学習面での困難さに注目し、他の発達障害や行動障害との鑑別が重要です。

選択肢1. 脱抑制型対人交流障害

この選択肢は不適切です。脱抑制型対人交流障害は、見知らぬ大人に対して過度に親密な行動を示す障害ですが、Aの症状はこれに該当しません。

選択肢2. 常同運動症/常同運動障害

この選択肢は不適切です。常同運動障害は、目的のない反復的な運動を特徴としますが、Aの症状は特定の運動スキルの困難さを示しており、常同運動とは異なります。

選択肢3. 反抗挑発症/反抗挑戦性障害

この選択肢は不適切です。反抗挑戦性障害は、反抗的で挑発的な行動パターンを特徴としますが、Aの症状は運動スキルと協調性の問題を示しており、行動上の問題ではありません。

選択肢4. トゥレット症/トゥレット障害

この選択肢は不適切です。トゥレット障害は、複数の運動性チックと音声チックを特徴としますが、Aの症状にはチックの記述がなく、運動スキルの全般的な困難さが示されています。

選択肢5. 発達性協調運動症/発達性協調運動障害

この選択肢が最も適切です。Aの症状は、日常生活動作(着替え、箸の使用)や運動スキル(縄跳び、自転車)、学習面(書字)における協調運動の困難さを示しており、発達性協調運動障害の特徴と一致します。

まとめ

発達性協調運動障害は、年齢相応の運動スキルの獲得や遂行に困難を示す障害です。

 

日常生活動作、粗大運動、微細運動の困難さが特徴で、学習面にも影響を及ぼします。全般的な知的発達に遅れがない点、他の神経発達症や行動障害との鑑別が重要です。

 

早期発見と適切な支援により、二次的な問題(自尊心の低下、学習困難など)を予防することが可能です。

参考になった数0