公認心理師の過去問
第7回 (2024年)
午後 問67

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問題

公認心理師試験 第7回 (2024年) 午後 問67 (訂正依頼・報告はこちら)

55歳の男性A、80歳の母親Bと二人暮らし。民生委員Cから、AとBについての相談が地域包括支援センターに寄せられた。Cによると、AとBは仲の良い家族として知られていた。数年前まで、一緒に買い物や団地の行事に出かける二人と話をすることも多かった。しかし、半年前からBが外出する姿を全く見かけなくなった。また、1か月前から怒鳴り声や悲鳴、皿が割れる音などが部屋から時折聞こえるようになった。気になったCが部屋を訪ねると、Aは玄関先に出て来たが、「母も自分も元気です」と素気なく返事をするだけであった。室内にはゴミが散乱していた。
現時点における地域包括支援センターの対応として、優先されるものを1つ選べ。
  • 介護サービス利用の促進
  • 自立支援型マネジメント
  • 地域ケア推進会議の開催
  • 介護予防ケアマネジメント
  • 事実確認のための家庭訪問

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この過去問の解説 (1件)

01

支援を開始する際の地域包括支援センターの動きを問われる事例です。情報の細部にこだわるのではなく、全体を通した総合的なアセスメントが重要です。

選択肢1. 介護サービス利用の促進

誤りです。

要介護・要支援認定の判断もできていない状況で、介護サービスを利用するよう促すことはありません。

選択肢2. 自立支援型マネジメント

誤りです。

自立支援型マネジメントとは、在宅継続を目的に、運動機能等が低下し日常生活における家事などに支援が必要となった高齢者に対して再び自立するための機能訓練や生活援助等を提供することなので、まだどのような日常生活の家事支援が必要か判断できない為、これを優先することはありません。

選択肢3. 地域ケア推進会議の開催

誤りです。

地域ケア推進会議は複数の人がチームとなって会議を行う為、まだ詳細情報がわかっていない現段階では、これを優先することはありません。

選択肢4. 介護予防ケアマネジメント

誤りです。

介護予防ケアは、要介護認定審査で「要支援2」「要支援1」「非該当」と認定された人や、生活機能の低下していて将来的に介護が必要となる可能性が高い人の相談やケアプランを作成するものです。その為、まだ情報が把握できていない現時点でこれを優先することはありません。

選択肢5. 事実確認のための家庭訪問

正解です。

息子Aの「母も自分も元気です」という言葉と民生委員Cが見た家の様子には矛盾が見られます。まずは、家庭訪問を行い、息子Aと事実確認を行う必要があります。正確な情報を集めてから、今後の支援方針を決定していくことが考えられます。

まとめ

地域包括支援センターには様々な高齢者に対するサービスが提供されています。先走らずに、まずはどのようなことに困っているのか情報をアセスメントできるよう、支援者は支援を必要としている地域住民と信頼関係を築いていくことが大切です。

支援を開始する際には、最初のステップ、順番があることを本事例から学ぶ必要があるといえます。

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