公認心理師の過去問
第7回 (2024年)
午後 問71

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問題

公認心理師試験 第7回 (2024年) 午後 問71 (訂正依頼・報告はこちら)

8歳の女児A、小学2年生。両親に連れられて総合病院小児科を受診した。両親によると、Aは、入眠して1、2時間後にベッドから起き上がり、ぼんやりとした表情で寝室を歩き回ることがある。ドアを開けて隣の部屋に行くこともある。声をかけるとうなずく程度の反応はあるが、覚醒することはない。不自然な身体の動きや、尿失禁はない。10分程度でベッドに戻り、朝まで眠る。翌朝、Aに聞いても何も覚えていない。以上のようなエピソードが月に数回あるという。日中の行動に問題はなく、学校の成績も平均的である。既往歴はなく、薬剤は服用していない。身体診察でも異常は認められなかった。
Aの病態の理解として、最も適切なものを1つ選べ。
  • 解離性障害
  • 睡眠時遊行症
  • ウイルス性脳炎
  • 特発性全般てんかん
  • 急性一過性精神病性障害

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題では、事例の症状から病態のアセスメントを問われています。睡眠時の意識水準や目覚めた後の健忘、その他、症状特性と合わせて検討していくことが重要です。

選択肢1. 解離性障害

誤りです。

つらい経験やストレスが原因となり、本来の人格とは異なる複数の人格が代わるという症状が表れ、文化によっては憑依体験と記述されます。この事例では、人格の変容は見られないので、これには該当しません。

選択肢2. 睡眠時遊行症

正解です。

睡眠時遊行症は、睡眠から不完全に覚醒するエピソードが反復し、睡眠時間帯の最初の1/3の間に起こり、睡眠中にベッドから起き上がり歩き回るエピソードの反復、睡眠時遊行の間うつろな表情で視線を動かさず、他の人が話しかけようとしてもあまり反応しない、覚醒させることがきわめて困難、夢の映像はまったく、または少ししか早期されない、エピソードについての健忘等があげられます。これは、本事例の症状と合っています。

選択肢3. ウイルス性脳炎

誤りです。
ウイルス性脳炎の中で最も多いのは、ムンプスやエコーウイルスなどによる流行性の感染によるものです。ウイルス性脳炎は感染急性期に様々な神経症状を呈し、一般的には発熱、意識障害、けいれん、異常行動・言動などがあり、また、頭痛や嘔吐が生じます。事例では、そのような記述は見られません。

選択肢4. 特発性全般てんかん

誤りです。

特発性全般てんかんは、小児から若年者に好発するてんかんで、発作時に意識を失うことが多いです。発作の程度は様々ですが、手足の痙攣は生じにくく、また特に小児では、何の前触れもなく突然会話が途切れて30秒ほど意識を失う欠神発作が多いです。

事例では、そのような記述は見られません。

選択肢5. 急性一過性精神病性障害

誤りです。

急性一過性精神病性障害においては、妄想、幻覚、まとまりのない発語や行動、精神運動興奮から起こる錯乱状態、またはこれらの症状の組み合わせが、急激に発症します。

事例では、そのような記述は見られません。

まとめ

睡眠時遊行症について、特徴をまとめておきましょう。

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