公認心理師 過去問
第8回(2025年)
問60 (午前 問60)
問題文
90歳の男性A、一人暮らし。妻に先立たれた寂しさも徐々に和らぎ、地域の支援を利用できるなら、一人で過ごす時間も悪くないと思えてきた。そうした時間には、自分が生きてきた過去よりも、むしろ、自分が生まれる以前の先祖の来歴を思うことが増え、改めて家系を詳しく調べ始めている。また、今までに妻や親など、家族を様々な病気で亡くしたため、未来を生きる人々の健康に少しでも役立ちたいと社会貢献を望んでいる。
Aの心理の説明として、最も適切なものを1つ選べ。
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問題
公認心理師試験 第8回(2025年) 問60(午前 問60) (訂正依頼・報告はこちら)
90歳の男性A、一人暮らし。妻に先立たれた寂しさも徐々に和らぎ、地域の支援を利用できるなら、一人で過ごす時間も悪くないと思えてきた。そうした時間には、自分が生きてきた過去よりも、むしろ、自分が生まれる以前の先祖の来歴を思うことが増え、改めて家系を詳しく調べ始めている。また、今までに妻や親など、家族を様々な病気で亡くしたため、未来を生きる人々の健康に少しでも役立ちたいと社会貢献を望んでいる。
Aの心理の説明として、最も適切なものを1つ選べ。
Aの心理の説明として、最も適切なものを1つ選べ。
- 老性自覚
- エイジズム
- 老年的超越
- あいまいな喪失
- レミニセンス・バンプ
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この過去問の解説 (1件)
01
正解は「老齢期超越」です。この設問では、高齢期に生じる心理状態の変化に関して問われています。配偶者を亡くした寂しさを乗り越えて、自分の生まれる以前に遡って過去を振り返ったり、自分よりも未来を生きる他者に意識を向けるなどの心理的な状態が説明されています。
不適切です。「老性自覚」とは、日常生活の様々な場面や状況において、身体的、心理的、社会的に自らが老いを自覚していくことを言います。
不適切です。「エイジズム」とは、高齢者に対して画一的な考え方、差別的な見方をすることを言います。
適切です。「老年的超越」とは、主に3つの領域(宇宙的意識,自己意識,社会との関係)において、自らの心理的状態が変化していくことを言います。自分自身を過去から未来の間を生きる一つの存在として考え、自分へのこだわりや意識よりも他者への貢献などに意識の変容が生じるとされています。
不適切です。「あいまいな喪失」とは、その喪失そのものに確証がなく、あいまいな状況のことを言います(例えば、親しい人が地震や津波などの災害に会い行方不明になる、など)。
不適切です。「レミニセンス・バンプ」とは、人が過去の出来事を想起する際に、10歳代~30歳代のことを想起しやすい傾向のことを言います。
この設問では、高齢期に生じる心理状態の変化について問われています。高齢期には、自分自身の身体的・精神的な変化や、自分を取り巻く環境の変化などが生じやすく、そのことにより心理状態の変化がポジティブな側面、ネガティブな側面双方で生じるとされています。一般的にどのような心理状態の変化が生じるのかについて、理解しておけると良いでしょう。
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