公認心理師 過去問
第8回(2025年)
問62 (午前 問62)
問題文
19歳の男性A、大学1年生。部活の人間関係で悩み、大学を休みがちとなり、周囲に勧められて学生相談室を訪れ、公認心理師Bが面接を行った。Aは、初回面接では涙を流して悩みを話したが、2回目以降の面接では淡々と話した。その点についてBが尋ねると、子どもの頃、弱音を吐いて泣くと親に叱られたという。その後の面接で、Aは、時折、泣き言を言ってきまり悪そうにしていたが、Bがそれを受容的な態度で聞いていると、Aは次第に安心して泣き言を言うようになり、「弱音を吐いてもいいんだと思えて、ほっとした」と話した。
この面接場面を記述する心理力動的な概念として、最も適切なものを1つ選べ。
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問題
公認心理師試験 第8回(2025年) 問62(午前 問62) (訂正依頼・報告はこちら)
19歳の男性A、大学1年生。部活の人間関係で悩み、大学を休みがちとなり、周囲に勧められて学生相談室を訪れ、公認心理師Bが面接を行った。Aは、初回面接では涙を流して悩みを話したが、2回目以降の面接では淡々と話した。その点についてBが尋ねると、子どもの頃、弱音を吐いて泣くと親に叱られたという。その後の面接で、Aは、時折、泣き言を言ってきまり悪そうにしていたが、Bがそれを受容的な態度で聞いていると、Aは次第に安心して泣き言を言うようになり、「弱音を吐いてもいいんだと思えて、ほっとした」と話した。
この面接場面を記述する心理力動的な概念として、最も適切なものを1つ選べ。
この面接場面を記述する心理力動的な概念として、最も適切なものを1つ選べ。
- 徹底操作
- 反動形成
- 反復強迫
- 投影同一視
- 修正感情体験
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この過去問の解説 (1件)
01
正解は「修正感情体験」です。学生相談室にてカウンセリングを実施した男性Aは、初回面接では涙を流したものの、2回目以降には幼少期に「弱音を吐いてなくと親に怒られた」体験があったことから、弱音を吐いたことにきまりの悪さ抱いていました。ただ、それ以降にも何度か面接を重ねることにより「弱音を吐いても良い」「自分自身を受け入れてもらえる」と、自らの感情を修正できるようになったことが説明されています。
不適切です。「徹底操作」とは、面接や治療を進めていく中でクライエントが生じる抵抗や退行などの過程を経つつ、クライエントに対して解釈と洞察を繰り返していくことにより、治療を展開して進めていくことを言います。
不適切です。「反動形成」とは、自分自身が持っている受け入れがたい感情、考え、衝動などがある場合に、それとは反対の行動を取ることで、自分自身が受け入れがたい感情を意識化しないようにする心理、防衛機制のことを言います(例えば、内心嫌いな相手に笑顔で接したり、好きな相手に素っ気なく接する、など)。
不適切です。「反復強迫」とは、過去に抱いていた苦痛な体験や辛い出来事、不安定な人間関係などを、その後の人生においても無意識のうちに繰り返したり再現してしたりしてしまう現象のことを言います(例えば、過去に親から虐待を受けていた人が、大人になり結婚する際にDVをする人を配偶者に選んでしまう、など)。
不適切です。「投影同一視」とは、自身の感情や思考、特性を他の人に投影し、その人がその投影された感情や特性を無意識に他者に投げかけてしまうプロセスのことを言います(例えば、自分が相手に対して怒っていると、相手も自分に対して「怒っているに違いない」と思いこむ、など)。
適切です。「修正感情体験」とは、その人自身が過去の体験により感じたトラウマや対処できなかった感情状況を、安心・安全で肯定的な治療関係の中で再体験していくことにより、修復・治療していくことを言います。
この設問では、精神分析を基盤とする心理力動的な概念に関するキーワードの理解が求められています。投影、反動形成、転移、防衛機制などの基本的な用語の意味については理解しておきましょう。
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