公認心理師 過去問
第8回(2025年)
問63 (午前 問63)

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問題

公認心理師試験 第8回(2025年) 問63(午前 問63) (訂正依頼・報告はこちら)

37歳の女性A、小学3年生の男児Bの保護者。Bの行動について学校から連絡があり、教育相談センターで相談するように勧められ、公認心理師が面接した。Aによると、Bは、幼少期から片付けが苦手で、部屋を散らかし、落ち着いて座っていられず、騒ぐことが多い。小学1年生の妹に手をあげることもある。それらの行動を注意しても従わないため、Aは大声で叱っているが、Bの行動に改善はみられない。AはBを叱責することが多くなると自分自身を責め、養育に自信を失いがちである。
教育相談センターが提案する対応として、最も適切なものを1つ選べ。
  • CRAFT
  • TEACCH
  • JASPERプログラム
  • ペアレント・トレーニング
  • アサーション・トレーニング

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この過去問の解説 (1件)

01

正解は「ペアレント・トレーニング」です。母親である女性Aは、子どもの男児Bの発達・行動特性(片付けが苦手、落ち着きのなさ、粗暴行為)に悩み、養育不安を抱いていることから、発達特性のある子どもの養育に有効なアプローチを提案することが望ましいです。

選択肢1. CRAFT

不適切です。「CRAFT」Community Reinforcement Approach and Family Training)とは、もともとはアルコールや薬物依存患者に対する本人と家族の支援に用いられたアプローチですが、現在では不登校やひきこもりに対する支援に活用されています。

選択肢2. TEACCH

不適切です。「TEACCH」(ティーチ)とは、自閉スペクトラム症(ASD)のある人々やその家族、支援者に対する包括的な支援プログラムのことを言います。

選択肢3. JASPERプログラム

不適切です。「JASPERプログラム」は、自閉スペクトラム症(ASD)を有する児童に対する早期支援プログラムであり、遊びの中で子どもの自発性を引き出つつ、子どもの発達を支援するアプローチです。

選択肢4. ペアレント・トレーニング

適切です。「ペアレント・トレーニング」は、保護者が子どもの行動に適切に対応するためのスキルや知識を習得し、育児に関する悩みを軽減することや、子どもの行動変容を促すプログラムです。自閉スペクトラム症(ASD)やADHD(注意欠如・多動性障害)などの発達障害、軽度の知的障害などを有する児童へのアプローチに有効とされています。

選択肢5. アサーション・トレーニング

不適切です。「アサーション・トレーニング」とは、相手の考えや意見を受け入れて尊重しつつ、適切に自己主張・自己表現を行う方法を身につけていくためのトレーニングのことを言います。

まとめ

この設問では、子育てに悩む保護者が子どもにどのようなアプローチを実施することが適当なのかが問われています。家族、保護者、児童など、その対象や置かれた状況により適切なアプローチ方法は異なります。ペアレント・トレーニングTEACCHアサーション・トレーニングなど、この設問で挙げられている代表的なアプローチやプログラムについては理解しておきましょう。

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