公認心理師 過去問
第8回(2025年)
問71 (午前 問71)

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問題

公認心理師試験 第8回(2025年) 問71(午前 問71) (訂正依頼・報告はこちら)

16歳の男子A、高校1年生。「気分が良くない」と訴えて、高校のスクールカウンセラーBのもとを訪れた。Aによると、1か月前に突然、目に映る風景がよそよそしく、映画の撮影所のセットのように感じられるようになった。周囲と自分がカーテンのようなもので切り離され、眼の前の物がぼんやりと見えたこともあった。Aとしては、思い当たるようなきっかけは特になかったという。このような奇妙な感覚は、1週間ほど断続的に生じた後、一度は自然に消失した。しかし、3日前から再び現れ始め、周囲の物の色や質感が、以前とは違って見えることがあるとBに語った。
Aに認められる症状として、最も適切なものを1つ選べ。
  • 強迫観念
  • 作為体験
  • 失感情症
  • 妄想気分
  • 現実感消失

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この過去問の解説 (1件)

01

正解は「現実感消失」です。この設問では、少年Aがスクールカウンセラーに訴えた自身の精神症状として当てはまる選択肢が問われてます。本文の中に特徴的なエピソード(映画の撮影所のセットのように感じられるようになった、など)があるため、そのようなエピソードがみられる代表的な精神疾患については理解しておく必要があります。

選択肢1. 強迫観念

不適切です。「強迫観念」とは、無意味だと分かっていても、繰り返し頭に浮かんできてしまい切り離せない思考のことを言います。

選択肢2. 作為体験

不適切です。「作為体験」とは、自身の行動や思考などが、外部により操られているように感じる体験のことを言います。統合失調症に見られる症状の一つです。

選択肢3. 失感情症

不適切です。「失感情症アレキシサイミア)」とは、自分の感情を自覚・認識したり、言語化をしたりすることが難しい状態のことを言います。

選択肢4. 妄想気分

不適切です。「妄想気分」とは、根拠や理由なく、身の回りの出来事を不気味に感じたり、不安や恐怖を抱くことを言います。

選択肢5. 現実感消失

適切です。「現実感消失」とは、外界から自分自身が切り離されているように感じたり、まるで夢の中にいるように感じられるようなことを言います。

まとめ

統合失調症や強迫性障害など、精神疾患にはそれぞれ特徴的な精神症状やエピソードが見られます。選択肢に出ている精神症状やその状態を含めて、その名称から症状を推測しやすいものと、それが難しいものもあるため、内容については把握しておく良いでしょう。

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