公認心理師 過去問
第8回(2025年)
問72 (午前 問72)

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問題

公認心理師試験 第8回(2025年) 問72(午前 問72) (訂正依頼・報告はこちら)

17歳の男子A、高校2年生。母親と小学2年生の弟との三人暮らしである。Aは、1か月前から不登校気味で、心配した担任教師に連れられて、スクールカウンセラーBのもとを訪れた。Aによると、2か月前に父親が事故死し、もともと身体の弱かった母親は、父親の突然の死にショックを受け、日常生活もままならない状態に陥っている。弟の世話も含め、Aが一家の家事全般を担っているという。面接室でのAは暗い表情で、ほとんど言葉を発することもなく、時折、「母や弟を支えたいと思うけど、もう疲れた」、「生きていても意味がない」と言いながら、涙を流している。
初回面接における、BのAへの対応として、不適切なものを1つ選べ。
  • 希死念慮に関する話題は控える。
  • 問題となっている事柄を整理する。
  • Aの置かれている状況を把握する。
  • Aの心理状態のアセスメントを行う。
  • 言語的及び非言語的な情報を意識する。

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この過去問の解説 (1件)

01

正解は「希死念慮に関する話題は控える。」です。この設問では、17歳の男子Aの置かれている状況を読みとり、活力の低さ、疲労感や虚無感を抱えていることを押さえた上で、初回面接時に適当な対応を選択することが求められています。

選択肢1. 希死念慮に関する話題は控える。

不適切です。「希死念慮」を含めて、A自身の感じている悩みや率直な気持ちを自由に語ってもらい、そのことに対してカウンセラーが受容的な姿勢で対応をすることが求められます。

選択肢2. 問題となっている事柄を整理する。

適切です。この事例では、A自身の不登校や疲弊感に加え、Aを取り巻く問題(父親の突然死、母親の心身状態、弟の世話)が多く存在しており、またそれらは未整理な状態です。そのため「問題となっている事柄を整理する」ことは適切であると言えます。

選択肢3. Aの置かれている状況を把握する。

適切です。初回面接においては、A自身にどのようなことがあり相談に至ったのか、まずは「A自身の置かれている状況を把握すること」が求められます。

選択肢4. Aの心理状態のアセスメントを行う。

適切です。相談に来たAがどのような心理状態にあるのか、初回面接の中で「Aの心理状態のアセスメントを行う」ことにより、Aに関する見立てや今後の相談方針を検討していくためにも必要です。

選択肢5. 言語的及び非言語的な情報を意識する。

適切です。面接時の様子からアセスメントを行うにあたって、「言語的及び非言語的な情報を意識する」ことは大切です。初回面接のみならず、それ以降の面接においてもカウンセラーには求められます。

まとめ

スクールカウンセラーが初回面接(インテーク面接)の際に心がけるべき対応については、代表的には以下のようなものがあります。

相談内容の確認と整理

信頼関係(ラポール)の形成

相談者に対する受容的姿勢

面接内容から相談者の心理的アセスメント

相談者が自身の困りごとや悩みについて、安心して自由に話せるような環境設定と対応をすることができると良いでしょう。

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