公認心理師 過去問
第8回(2025年)
問73 (午前 問73)
問題文
58歳の女性A、会社員。夫と二人暮らしである。産業医との面談で不眠を訴え、社内の心理相談室を紹介され、公認心理師Bの面接を受けた。Aによると、睡眠時間は8時間がベストと決めているが、夜中に2回から3回、目が覚めてしまい、熟睡できないという。身体を休めるため、寝酒をしたり、早めに床に就いたり、週末には長めの昼寝をするなど工夫しているものの、疲労感が増すばかりであるという。
Bが、Aに対して初期に実施する認知行動療法として、不適切なものを1つ選べ。
Bが、Aに対して初期に実施する認知行動療法として、不適切なものを1つ選べ。
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問題
公認心理師試験 第8回(2025年) 問73(午前 問73) (訂正依頼・報告はこちら)
58歳の女性A、会社員。夫と二人暮らしである。産業医との面談で不眠を訴え、社内の心理相談室を紹介され、公認心理師Bの面接を受けた。Aによると、睡眠時間は8時間がベストと決めているが、夜中に2回から3回、目が覚めてしまい、熟睡できないという。身体を休めるため、寝酒をしたり、早めに床に就いたり、週末には長めの昼寝をするなど工夫しているものの、疲労感が増すばかりであるという。
Bが、Aに対して初期に実施する認知行動療法として、不適切なものを1つ選べ。
Bが、Aに対して初期に実施する認知行動療法として、不適切なものを1つ選べ。
- 睡眠日誌の記録
- 就床時間の一定化
- 週末の過ごし方の検討
- 睡眠に関する非機能的な信念の評価
- アルコールの摂取方法に関する心理教育
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この過去問の解説 (1件)
01
正解は「就床時間の一定化」です。この設問では、不眠を改善するためにAは様々な試みをしていますが、自らの睡眠に対する考え方や行動について見直した方が望ましいであろう内容が書かれており、初期の認知行動療法として適切な対応が問われています。
適切です。「睡眠日誌の記録」をすることにより、睡眠効率を算出したり、客観的なデータをもとに睡眠の改善に役立てていくことができます。
不適切です。睡眠に関する認知行動療法の初期対応としては、就床時間を固定することよりも、就床時間や夜中に目が覚めた回数のなどの睡眠記録をするなど、自身の睡眠に関して記録を取ることが大切です。そのため「就床時間の一定化」は、初期に実施する対応としては適切ではありません。
適切です。週末には長めの昼寝をするなど工夫をしているとありますが、不眠に関する治療としては、長寝、早寝や日中の昼寝などは逆効果となってしまうため「週末の過ごし方の検討」を行い、睡眠に関する適切な認識や理解をすることが求められます。
適切です。不眠に悩む人には、しばしば設問にあるような眠りに関する不安やこだわりがあり、それらの中には非機能的な信念が少なくありません。そのため「睡眠に関する非機能的な信念の評価」は大切であり、その評価内容が不眠症の重症度や治療効果を左右するとされています。
適切です。熟睡できないことから寝酒をすることは、睡眠導入を促す効果はありますが、深い睡眠を妨げ中途覚醒を生じさせやすくなるなど、適切な睡眠改善に関する行動とは言えません。そのため「アルコールの摂取方法に関する心理教育」により、アルコールの摂取に関して見直しを行うことは必要です。
不眠に対する認知行動療法はCBT-I(Cognitive Behavioral Therapy for Insomnia)と呼ばれ、科学的根拠のある不眠症に対する第一義的な治療選択肢とされています。初期の認知行動療法では、具体的な行動改善よりも、まずはその人自身の客観的な睡眠記録をしたり、非機能的な信念の修正、日常生活や習慣的行動の見直しなどを考えていくことが求められています。
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