一級建築士の過去問
平成27年(2015年)
学科2(環境・設備) 問29
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問題
一級建築士試験 平成27年(2015年) 学科2(環境・設備) 問29 (訂正依頼・報告はこちら)
音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 自由音場において、全指向性の点音源( 指向性のない点音源 )からの距離が1mの点と2mの点との音圧レベルの差は、3dBとなる。
- 防音塀は、音の回折による減衰を利用するものであり、一般に、低音域よりも高音域の遮断に有効である。
- 学校の普通教室においては、平均吸音率が0.2程度となるように、吸音対策を施すことが望ましい。
- 音の強さのレベルを20dB下げるためには、音の強さを1/100にする。
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この過去問の解説 (3件)
01
1:誤りです
音源からそれぞれr1(m)、r2(m) 離れた点の音圧レベルを Lp1(dB)、Lp2(dB)とすると各点の音圧レベルの差ΔLpは以下のように表せます。
ΔLp=Lp1-Lp2= 20log10(r2/r1)
(ウェーバー・フェヒナーの法則に全指向性の点音源による音響エネルギーI= W/(4πr²)を代入したものです。)
今、r2=2×r1とすると
ΔLp=20log10(2)となりlog10(2)=0.3010より
ΔLp≒6(dB)
したがって、音源からの距離が2倍になると約6dB減衰します。
2:設問通りです
音が防音壁にあたると音は壁を回り込んで外に伝わろうとします(回折)。
防音壁を設置すると直進性の大きい高周波数(短波長)の波の遮音が可能で、回折性の大きい低周波数(長波長)の波の遮音はしにくいという特徴があります。
3:設問通りです
日本建築学会環境基準学校施設の音環境保全
規準・設計指針に記載されています。
残響時間が長くなるほど平均吸音率が短くなります。
(参考)
普通教室:残響時間0.6秒、平均吸音率0.2
音楽練習室:残響時間0.9秒、平均吸音率0.15
4:設問通りです
ウェーバー・フェヒナーの法則に基づく音圧レベルLpは以下の式になります。
Lp=10log10(I/Io)
Io:可聴範囲下限(=10⁻¹²W)
この式を用いると、ある音の大きさIを1/n倍した時、音の強さのレベルは10log10(n)だけ下がることがわかります。
n=200とすると
10log10(n)=20となり音の強さのレベルは20dBだけ下がることがわかります。
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02
よって、距離が1mの点と2mの点との音圧レベルの差は、6dBとなります。
2 正。
3 正。音声を明瞭に伝達させるため、学校の普通教室においては平均吸音率が0.2程度となるように、吸音対策を施すことが望ましいとされています。
4 正。
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03
1.音源からの距離が2倍になると、約6dB減衰します。
距離が1mの点と2mの点との音圧レベルの差は、6dBです。
2.記述のとおりです。
3.記述のとおりです。
教師の話が明瞭に聞き取りやすい音環境が要求されるため、平均吸音率が0.2
程度となるように、吸音対策を施すことが望ましいとされています。
4.記述のとおりです。
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