一級建築士の過去問
平成27年(2015年)
学科2(環境・設備) 問36

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問題

一級建築士試験 平成27年(2015年) 学科2(環境・設備) 問36 (訂正依頼・報告はこちら)

電気設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 需要率は、「負荷設備容量の総和」に対する「最大需要電力」の割合である。
  • 負荷率は、「負荷設備容量の総和」に対する「ある期間の平均需要電力」の割合である。
  • 力率は、交流回路に電力を供給する際の「電圧と電流との積」に対する「有効電力」の割合である。
  • 進相コンデンサは、主に、力率を改善するために用いられる。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.記述のとおりです。
実際に使われる最大需用電力(一般には1時間の平均電力)を1日中使っているわけではなく、すべてが全負荷で働いていることもないので、「負荷設備容量の総和」より小さい。これらの関係の比をパーセントで表したものです。

2.電力の使用状態は1日24時間の時刻で変化し、さらに季節によっても変化するため、負荷率は、「ある期間の最大需要電力」に対する「その期間の平均需要電力」の比をパーセントで表したものです。その値が100%に近いほど、効率的な設備の運用がなされていることを示しています。

3.記述のとおりです。皮相電力の大きさに対する有効電力の大きさの比をパーセントで表したものであり、その値が100%に近いほど、電力が有効に使用されていることを示しています。

4.記述のとおりです。一般的によく使われる電気機器のうち、モーターや溶接機などのように鉄心に導線を巻いた負荷(機器)には有効な電流とロスとなる無効電流があり、実際にはそれらが合成された電流(皮相電流)が流れます。この無効電流を減らすために進相コンデンサが使われ、「力率の改善」とは無効電流を減らすことを意味します。

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02

正解は2です。

1:設問通りです
負荷設備の同時使用を考慮した指標です。
各設備の使用量や時間帯に応じて最大需要電力を決定し需要率が100%以下となるように負荷設備容量を決定していきます。

2:誤りです
負荷率とは「ある期間における最大需要電力」に対する「その期間における平均需要電力」の割合です。一定期間における平均需要電力が最大需要電力に比べて小さい(高負荷となる時間が短い)場合、負荷設備の容量に余裕がある時間が長くなり設備が有効利用できていないということになるので負荷率は高くなるように負荷設備の設計をします。

3:設問通りです
力率とは「皮相電力」に対する「有効電力」の割合です。
ここでいう皮相電力とは電圧と電流の積により求められる電力の理論値のことで実際に回路に流れる電力はこの皮相電力より小さくなるので、その割合を力率として計算されます。

4:設問通りです
前述した通り皮相電力における有効電力の割合が小さいと電力損失が大きくなってしまいます。
この力率の改善を行うために進相コンデンサを用います。

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03

1 正。

2 誤。負荷率は「ある期間の最大需要電力」に対する「その期間の平均需要電力」の割合です。
負荷率が高いほど効率的な設備の運用がなされていることを示しています。

3 正。力率は、交流回路に電力を供給する際の「電圧と電流との積(皮相電力)」に対する「有効電力」の割合です。

4 正。一般に、力率の低下は電流の位相が電圧の位相より遅くなることにより起こります。
進相コンデンサは電流の位相を進めることにより、モーターなどの負荷設備の力率を改善するものです。

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