一級建築士の過去問
平成27年(2015年)
学科4(構造) 問89

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問題

一級建築士試験 平成27年(2015年) 学科4(構造) 問89 (訂正依頼・報告はこちら)

地震時における地盤の液状化に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 飽和砂質土層であっても、細粒分含有率が小さければ液状化の可能性は低くなる。
  • 液状化判定のための粒度試験試料として、標準貫入試験用サンプラーより採取した「乱した試料」を用いることができる。
  • 将来的な地震においては、過去の地震で液状化した地盤であっても、液状化する可能性がある。
  • 液状化対策としての地盤改良には、締固め工法、深層混合処理工法、ドレーン工法等がある。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.誤り。
一般に地表面から20m程度浅の沖積層(砂質土)で細粒分含有率が35%以下の飽和土は、液状化の検討を行う必要がある。よって、細粒分含有率が低ければ、液状化の可能性が高くなると言えます。

2.設問の通り。
試料とはサンプリングした土のことです。室内土質試験の種類によって、「乱さない試料」を用いなければならない場合と、「乱した試料」でもよい場合とがあります。粒度試験は、「乱した試料」でもよい試験です。

3.設問の通り。
液状化した地盤が次の地震で再び液状化することを「再液状化」といい、一度液状化した場所では発生する可能性が高いと考えられています。一度の液状化で地盤が沈下しても、液状化が発生しないための地盤の締め固め量の半分程度にしかならないためです。

4.設問の通り。

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02

1 ×
地下水位以下の飽和砂質土は細粒度含有率が低く均一な粒径の砂ほど、液状化が起こりやすいです。

2 〇
液状化判定のための粒度試験試料として、標準貫入試験用サンプラーより採取した「乱した試料」を用いることができます。

3 〇
過去の地震で液状化した地盤であっても、液状化する可能性があります。

4 〇
・締固め工法(サンドコンパクションパイル工法)
・  〃  (バイブロフローテーション工法)
・間隙水圧消散工法(グランベルドレーン工法)
・固結工法(深層混合処理工法)
などが砂質土の液状化に対する地盤改良法としてあります。

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03

1.誤りです。
飽和砂質土層では、細粒土含有率が小さいほど液状化の可能性は高くなります。


2.設問の通りです。
試料とは試験の際に採取した土のことを言います。標準貫入試験は、サウンディングとしての役割のほか、乱した試料(打撃により地盤の均衡が乱れます)の搾取が可能です。乱した試料は、土の液状化を判定するための粒度試験の試料としては用いることができます。


3.設問の通りです。
地震動により一度液状化した地盤でも、地震動がおさまれば、多少N値が上がる程度で粒径や細粒土含有率はあまり変化しないため、再度地震が起こった場合に液状化する可能性はあります。


4.設問の通りです。
液状化によって建築物に沈下障害などが発生する恐れがある場合は、直接基礎では締固め等によって地盤の改良などを行い、液状化による被害の軽減・防止を図る必要があります。

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