一級建築士の過去問
平成27年(2015年)
学科5(施工) 問111
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問題
一級建築士試験 平成27年(2015年) 学科5(施工) 問111 (訂正依頼・報告はこちら)
コンクリートの一般的な性質に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- コンクリートの水和熱は、単位セメント量が少なくなるほど、小さくなる。
- コンクリートのヤング係数は、コンクリートの圧縮強度が高くなるほど、大きくなる。
- コンクリートの乾燥収縮のひずみ度は、部材の体積表面積比( 体積/表面積 )が大きくなるほど、小さくなる。
- コンクリートの中性化速度係数は、コンクリートの圧縮強度が高くなるほど、大きくなる。
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この過去問の解説 (3件)
01
セメントは水と反応して凝固硬化します。この水和反応による発熱を水和熱
といい、単位セメント量、セメントの種類により変わります。
2.設問の通り
コンクリートのヤング係数(Ec)
=3.35×10^4×(γ/24)^2×(Fc/60)^1/3 (N/㎟)
γ:単位体積重量 Fc:圧縮強度
上記の式よりヤング係数は、
・圧縮強度が高くなるほど大きくなる
・単位体積重量が大きいほど大きくなる
・使用骨材により異なる(単位体積重量に係るため)
*ワンポイントアドバイス
公式を完璧に覚える必要はありません。コンクリートのヤング係数は単位体
積重量γと圧縮強度Fcに係数をかける、程度に記憶しておけば設問が少し変
わっても対応できます。
3.設問の通り
4.誤り
中性化速度係数は、圧縮強度が高くなるほど小さくなります。また、水セメ
ント比が小さいほど中性化速度係数は小さくなります。
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02
コンクリートが硬化するのは水とセメントの水和反応のためです。そのため単位セメント量が少ないほど水和熱は小さくなります。
2.[正]
コンクリートのヤング係数は圧縮強度が高くなるほど大きくなります。
3.[正]
コンクリートの乾燥収縮は同じ体積であれば表面積が大きいほうが乾燥しやすいため大きくなります。
例えば同じ体積であれば梁よりスラブの方が乾燥しやすいです。
従って「体積/表面積が大きくなる」→「体積が大きくなる」ほど乾燥収縮のひずみ度は小さくなります。
4.[誤]
コンクリートの中性化を遅らせるためには圧縮強度を高くする、水セメント比を小さくすることが有効です。
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03
2.設問通り、適当です。
3.設問通り、適当です。
4.誤りです。
コンクリートは石灰分によって元来はアルカリ性ですが、空気中の炭酸ガスCO₂と反応してCaCO₂に変化し、表面からアルカリ性が失われて中性化していきます。中性化速度係数は中性化速度が速いほど大きくなりますが、コンクリートの圧縮強度を高くすると緻密なコンクリートとなり炭酸ガスの影響を受けにくく中性化速度が遅くなるので、中性化速度係数は小さくなります。
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