一級建築士の過去問
平成29年(2017年)
学科3(法規) 問51
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問題
一級建築士試験 平成29年(2017年) 学科3(法規) 問51 (訂正依頼・報告はこちら)
建築物の構造計算に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
- 許容応力度等計算においては、建築物の地上部分について各階の剛性率を確かめる場合、当該剛性率は、「各階の層間変形角の逆数」を「当該建築物についての各階の層間変形角の逆数の相加平均」で除して計算し、その値がそれぞれ6/10以上であることを確かめる。
- 保有水平耐力計算においては、高さ25mの鉄筋コンクリート造の建築物の地上部分について、保有水平耐力が必要保有水平耐力以上であることを確かめた場合には、層間変形角が所定の数値以内であることを確かめなくてもよい。
- 限界耐力計算を行う場合、地震時については、建築物の地下部分を除き、地震力により構造耐力上主要な部分の断面に生ずる応力度が、短期に生ずる力に対する許容応力度を超えないことを計算により確かめなくてもよい。
- 建築物の基礎は、国土交通大臣が定める基準に従った構造計算によって構造耐力上安全であることを確かめた場合には、異なる構造方法による基礎を併用してもよい。
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この過去問の解説 (3件)
01
令82条の6 二号イ
2.誤り
令82条より、
保有水平耐力計算とは、同条1項(許容応力度計算)、82条の2(層間変形
角)、82条の3(保有水平耐力)、82条の4(屋根ふき材等の構造計算)に
定める構造計算によって安全を確かめる必要があり、層間変形角計算の緩
和規定はありません。よって設問の記述は誤りです。
尚、法20条1項二号イ、令81条2項二号より、
高さ20m超、31m以下の鉄筋コンクリート造は、許容応力度計算
または保有水平耐力計算により安全性を確かめなければいけません。
3.設問の通り
令82条の5 一号、四号より、
地震時を除き、令82条一号から三号まで(長期及び短期許容応力度)に
定めるところによる(地下部分は82条一及び二号)とされているので、
正しい記述です。
地震時においては、令82条の5 三号による損傷限界耐力及び層間変位に
よって安全を確かめます。
4.設問の通り
令38条2項、4項より、
原則異なる構造方法による基礎を併用してはならないとされていますが、
国土交通大臣が定める基準に従った構造計算によって安全を確かめた場合
においては、上記規定は適用されません。
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02
1:設問通りです
令第82条の6第二号イより「次の式によつて計算した各階の剛性率が、それぞれ6/10以上であること。」とあるので内容に即しております。
2:誤りです
令第82条より「前条第2項第一号イに規定する保有水平耐力とは、次の各号及び次条から第82条の4までに定めるところによりする構造計算をいう。」とあります。
この中に含まれる令第82条の2には層間変形角の記載がありますが、設問のような緩和事項はなく常に確認されなければなりません。
3:設問通りです
令第82条の5第三号より「地震による加速度によって建築物の地上部分の各階に作用する地震力及び各階に生ずる層間変形を次に定めるところによつて計算し当該地震力が損傷限界力を超えないことを確かめるとともに層間変位の当該各階の高さに対する割合が1/200を超えないことを確かめること。」とあります。
損傷限界耐力とは、限界耐力計算によって建築物の各階の構造耐力上主要な部分の断面に生ずる応力度が短期に生ずる力に対する許容応力度に達する場合の建築物の各階の水平力に対する耐力のことを指します。
令第82条の5第三号は簡単に言うと「地震力が損傷限界耐力を超えないこと」を言っており、設問のように「地震力による応力度が短期許容応力度を超えないこと」と言ってるわけではありません。
そもそも損傷限界耐力の定義に「...応力度が短期に生ずる力に対する許容応力度に達する場合の...」とあるように「地震力による応力度が短期許容応力度を超えること」を前提に検討されるので設問のように「地震力による応力度が短期許容応力度を超えないこと」を確認する必要はありません。
4:設問通りです
令第38条4項より「前2項の規定は、建築物の基礎について国土交通大臣が定める基準に従つた構造計算によって構造耐力上安全であることが確かめられた場合においては、適応しない」とあるので内容に即しております。
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03
令第82条の6第二号イより正しい記述です。
2.[誤]
令第82条の2より層間変形角は1/200以内とする必要があります。
保有水平耐力計算を行っても緩和されないため誤りです。
3.[正]
令第82条の5第四号より正しい記述です。
4.[正]
令第38条第2項より異なる構造による基礎併用してはならないとありますが、同条第4項より国土交通大臣が定める基準によって確かめた場合には適用しないとあり正しい記述です。
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