一級建築士の過去問
平成29年(2017年)
学科4(構造) 問71
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問題
一級建築士試験 平成29年(2017年) 学科4(構造) 問71 (訂正依頼・報告はこちら)
図-1のように、脚部で固定された柱の頂部に鉛直荷重N及び水平荷重Qが作用している。柱の断面形状は図-2に示すような長方形断面であり、鉛直荷重N及び水平荷重Qは断面の図心に作用しているものとする。柱脚部断面における引張縁応力度と圧縮縁応力度との組合せとして、正しいものは、次のうちどれか。ただし、柱は等質等断面とし、自重は無視する。また、応力度は弾性範囲内にあるものとし、引張応力度を「+」、圧縮応力度を「-」とする。
- 引張縁応力度 + 6( N/mm2 ) 圧縮縁応力度 -14( N/mm2 )
- 引張縁応力度 + 8( N/mm2 ) 圧縮縁応力度 -12( N/mm2 )
- 引張縁応力度 + 11( N/mm2 ) 圧縮縁応力度 -19( N/mm2 )
- 引張縁応力度 + 13( N/mm2 ) 圧縮縁応力度 -17( N/mm2 )
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この過去問の解説 (3件)
01
設問のように柱に軸力と曲げモーメントが働く場合、その縁応力度は軸方向力による応力度と曲げによる応力度の組み合わせを行います。
・軸方向力Nによる圧縮応力度
σc=-N/A=-120x10³/200x300=-2.0N/mm²
・水平力Qによる柱脚の曲げモーメント
M=QxH=15x10³x2x10³=30x10⁶N・mm²
・曲げ方向の断面係数
Z=bxh²/6=200x300²/6=3.0x10⁶mm³
・曲げモーメントによる圧縮縁応力度cσb、引張縁応力度tσbは
cσb=-M/Z=-30x10⁶/3.0x10⁶=-10N/mm²
tσb=-cσb=10N/mm²
・圧縮応力度の最大値
cσmax=σc+cσb=-12N/mm²
・引張応力度の最大値
tσmax=-σc+tσb=8N/mm²
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02
圧縮縁応力度 -12(N/㎟)が正解
軸方向力Pによる垂直応力度と、外力Qによる曲げ応力度との組合せ応力度によって計算します。
◼垂直応力度 σ=−N/A
σ=−120×10^3/300×200
=−2N/㎟
◼曲げ応力度 σ=M/Z
M=15×10^3×2000=30×10^6
Z=bh^2/6
=200×300×300/6=3×10^6
σ=30×10^6/3×10^6
=10N/㎟
上記より、組合せ応力度は
引張縁応力度tσmax=−2+10=8N/㎟
圧縮縁応力度cσmax=−2−10=−12N/㎟
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03
水平荷重Qによる応力度
柱脚部曲げMは高さHとすると
M=Q×H=15×10^3 × 2000= 30×10^6 (N・mm)
幅b、せいhの断面の断面係数Zは
Z=b×h^2/6=200 × 300^2 / 6 = 3×10^6 (m㎡)
曲げ応力度σbは
σb=M/Z=30×10^6 / 3×10^6 = 10 (N/m㎡)
軸力Nによる応力度
幅b、せいhの断面の断面積Aは
A=b×h= 6×10^4 (m㎡)
圧縮応力度σcは
σc=N/A= 120×10^3 / 6×10^4 = 2 (N/m㎡)
組合せ応力度
引張縁応力度σtmax=σb-σc= 10-2 = 8 (N/m㎡)
圧縮縁応力度σcmax=σb+σc= -10-2 = -12 (N/m㎡)
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