一級建築士の過去問
平成29年(2017年)
学科4(構造) 問87
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問題
一級建築士試験 平成29年(2017年) 学科4(構造) 問87 (訂正依頼・報告はこちら)
鋼材ダンパーを用いた制振構造を採用した鉄骨造の建築物に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 地震時に主架構を無損傷とする目的で、柱梁部材には建築構造用圧延鋼材SN490に比べて、基準強度Fが大きい建築構造用高性能鋼材SA440を用いた。
- 地震エネルギーを効率的に吸収させるために、鋼材ダンパーには建築構造用圧延鋼材SN400と比べて、伸び能力の優れた建築構造用低降伏点鋼材LY225を用いた。
- 制振効果を高めるために、鋼材ダンパーの主架構への取付け部の剛性を小さくした。
- せん断パネルタイプの鋼材ダンパーについて、地震等による繰返し変形下の疲労に対して累積損傷度による検討を行った。
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この過去問の解説 (3件)
01
SA440は基準強度が440N/㎟であり、SN490の基準強度325/㎟に比べ高強
度なので、損傷制御設計において有効です。
2. 設問の通り
LY225は延性が高いため、柱や梁よりも先に塑性変形し、地震エネルギー
を効率的に吸収するので、ダンパーへの使用に適しています。
3. 誤り
制振効果を高めるためには、鋼材ダンパーの取付け部分の剛性を大きくし
なければいけません。
取付け部の剛性が小さいと、エネルギーを吸収するダンパー部分よりも取
付け部分の変形の方が大きくなってしまい、制振効果が発揮されません。
よって設問の記述は誤りです。
4. 設問の通り
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02
SA440は基準強度440N/m㎡とSN490の基準強度325N/m㎡より大きいため主架構の損傷を防ぐことができます。
2.[正]
LY225はエネルギー吸収性能に優れた材料で鋼材ダンパーとして使用することで効率よく地震エネルギーを吸収できます。
3.[誤]
取付部の剛性が小さくなるとダンパーへ期待通りの荷重が作用せず、制振効果が小さくなります。
4.[正]
繰り返し荷重を考慮して累積損傷度による検討を行うことは有効な検討方法です。
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03
2.記述のとおりです。
地震エネルギーを効率的に吸収させるためには伸び能力の優れた建築構造用
低降伏点鋼材LY225が適しています。
3.鋼材ダンパーの主架構への取付け部の剛性が高いほど、制振効果を高めま
す。
4.記述のとおりです。
鋼構造制振設計指針より、震等による繰返し変形下の疲労に対して累積損傷
度、累積塑性変形角、等価せん断座屈変形角による検討があります。
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