一級建築士の過去問
平成30年(2018年)
学科4(構造) 問77

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問題

一級建築士試験 平成30年(2018年) 学科4(構造) 問77 (訂正依頼・報告はこちら)

建築基準法における建築物に作用する地震力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 地震地域係数Zが1.0、振動特性係数Rtが0.9、標準せん断力係数COが0.2のとき、建築物の地上部分の最下層における地震層せん断力係数Ciは0.18とすることができる。
  • 鉄骨造又は木造の建築物の地震力を算定する場合に用いる設計用一次固有周期T(単位秒)は、建築物の高さ(単位メートル)に0.03を乗じて算出することができる。
  • 地震層せん断力係数Ciの建築物の高さ方向の分布を表す係数Aiは、建築物の上階になるほど大きくなる。
  • 建築物の地上部分におけるある層に作用する地震層せん断力は、その層の固定荷重と積載荷重との和に、その層の地震層せん断力係数Ciを乗じて算出する。

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この過去問の解説 (3件)

01

1 正。令88条により、Ci=Z×Rt×Ai×Coで求めることが出来ます。
それぞれの値は設問より代入し、Aiは地上部の最下層における値の場合は1.0となります。
Ci=1.0×0.9×1.0×0.2=0.18
よって、地震層せん断力係数Ciは0.18とすることが出来ます。

2 正。設計用一次固有周期T(単位秒)は建築物の高さ(単位メートル)に鉄骨造や木造で0.03、RC造で0.02を乗じて算出します。

3 正。Aiは建築物の高さ方向の分布を表す係数であり、建築物の上階になるほど大きくなります。

4 誤。地震層せん断力はその層以上の階の固定荷重と積載荷重の和にその層の地震層せん断力係数Ciを乗じて算出します。

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02

1.設問の通り
  地震層せん断力係数Ci=Z・Rt・At・Co
   Z:地震地域係数
   Rt:振動特性係数
   Ai:地震層せん断力分布係数(最下層は1.0)
   Co:標準層せん断力係数

  よってCi=1.0×0.9×1.0×0.2=0.18

2.設問の通り
  設計用一時固有周期T(s)
   S造…T=0.03h
   RC造…T=0.02h

3.設問の通り
 
4.誤り
  地震層せん断力Qi=Wi×Ci
   Wi:その階が支える総固定荷重と積載荷重の和
   Ci:地震層せん断力係数

  設問は「その層より上層部分の荷重」が考慮されていないので、誤りです。

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03

正解は4です。

1.設問の通りです。
Ci=Z・Rt・Ai・CO=1.0×0.9×1.0×0.2=0.18となります。地上部分最下層では常にAi=1です。

2.設問の通りです。
設計用一次固有周期T(秒)は、精算によらない場合、次式で略算してもよいです。よって
T=h(0.02+0.01α)

h:建築物の高さ(m)
α:柱及びはりの大部分が木造または鉄骨造である回の合計高さのhに対する比
木造、鉄骨造はα=1となりT=0.03h、鉄筋コンクリート造はα=0となりT=0.02hとなります。

3.設問の通りです。
分布係数Aiは、設計用一次固有周期が長いほど、また、上層になるほど大きな値となりますが、地上部分最下層ではAiは1です。

4.設問の記述は誤りです。
建築物の地上部分におけるある層(i層)の地震層せん断力Qi=Ci×Wi です。

Ci:その層の地震層せん断力係数
Wi:その層が支える部分(i層以上の部分)全体の固定荷重と積載荷重との総和

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