一級建築士の過去問
平成30年(2018年)
学科4(構造) 問80
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問題
一級建築士試験 平成30年(2018年) 学科4(構造) 問80 (訂正依頼・報告はこちら)
図のような平面形状の木造軸組工法による地上2階建ての建築物(屋根は日本瓦葺きとし、1階と2階の平面形状は同じであり、平家部分はないものとする。)の1階において、建築基準法における「木造建築物の軸組の設置の基準」(いわゆる四分割法)によるX方向及びY方向の壁率比の組合せとして、最も適当なものは、次のうちどれか。ただし、図中の太線は耐力壁を示し、その軸組の倍率(壁倍率)は全て2とする。なお、壁率比は次の式による。
- X方向 : 0.5 、 Y方向 : 1.0
- X方向 : 0.8 、 Y方向 : 1.0
- X方向 : 1.0 、 Y方向 : 0.5
- X方向 : 1.0 、 Y方向 : 0.8
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この過去問の解説 (3件)
01
設問の木造建築物は地震時におけるねじれによる被害を防ぐため、壁率比の確認を行う必要があります。
各階の平面の両端から1/4の部分(側端部分)について「壁量充足率」(側端部分の「存在壁量」を側端部分の床面積に対する「必要壁量」で割ったもの)を求め、その両端の比である「壁率比」(壁量充足率の小さい方を大きい方で割る)が0.5以上であることを各階においてはり間方向及びけた行方向双方ごとに確かめます。
X方向
上側端部分の壁量充足率=200㎝×2(壁倍率)/8㎡×α
下側端部分の壁量充足率=200㎝×2(壁倍率)/16㎡×α
壁率比=(400/16α)/(400/8α)=0.5
Y方向
上側端部分の壁量充足率=200㎝×2(壁倍率)/8㎡×α
下側端部分の壁量充足率=400㎝×2(壁倍率)/16㎡×α
壁率比=(400/16α)/(800/16α)=1.0
※αの値は設問では33㎝/㎡です。約分されるのでαの数値はわからなくても壁率比を求められます。
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02
4分割法によって壁量の検討を行います。
・必要壁量:側端部分面積㎡×単位床面積当たりの必要壁量㎝/㎡
・存在壁量:耐震壁1枚の長さ㎝×枚数×倍率
※設問の建築物の単位面積当たりの必要面積は地上2階建ての建築物の1階で屋根は日本瓦葺きなので33㎝/㎡です。
ここではaと表記します。
X方向下部存在壁量=100cm×2×2=400cm
X方向下部必要壁量=16㎡×acm/㎡=16acm
X方向上部存在壁量=100cm×2×2=400cm
X方向上部必要壁量=8㎡×acm/㎡=8acm
Y方向左部存在壁量=100cm×2×2=400cm
Y方向左部必要壁量=8㎡×acm/㎡=8acm
Y方向右部存在壁量=100cm×4×2=800cm
Y方向右部必要壁量=16㎡×acm/㎡=16acm
X方向壁量充足率
=(400cm/16acm)/(400cm/8acm)
=25a/50a
=0.5
Y方向壁量充足率
=(400cm/8acm)/(800cm/16acm)
=50a/50a
=1
壁率比 X:Y=0.5:1 となります。
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03
1.X:Y=0.5:1.0 が正解
◼4分割法
以下の計算によって壁量の検討を行います。
・側端部分:建築物の両端から1/4の床面積
・必要壁量:側端部分面積㎡×単位床面積当たりの必要壁量㎝/㎡
・存在壁量:耐震壁1枚の長さ㎝×枚数×倍率
・壁量充足率>1.0
・壁率比 ≧ 0.5
(令46条4項、建告1352号)
X方向壁量充足率
=(400㎝/16α㎝)/(400㎝/8α㎝)
=25α㎝/50α㎝
=0.5
Y方向壁量充足率
=(400㎝/8α㎝)/(800㎝/16α㎝)
=50α㎝/50α㎝
=1.0
∴ X:Y=0.5:1.0
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