一級建築士の過去問
平成30年(2018年)
学科4(構造) 問87
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問題
一級建築士試験 平成30年(2018年) 学科4(構造) 問87 (訂正依頼・報告はこちら)
鉄骨構造において使用する高力ボルトに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 高力ボルト摩擦接合は、接合される部材間の摩擦力で応力を伝達する機構であり、部材とボルト軸部との間の支圧による応力の伝達を期待するものではない。
- せん断力と引張力とを同時に受ける高力ボルトの許容せん断応力度は、引張応力度の大きさに応じて低減する。
- 高力ボルト摩擦接合と溶接接合とを併用する接合部においては、溶接を行った後に高力ボルトを締め付けた場合、両接合の許容力を加算することができる。
- F10Tの高力ボルト摩擦接合において、2面摩擦の許容せん断応力度は、1面摩擦の場合の2倍である。
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この過去問の解説 (3件)
01
1. 設問の通り
2. 設問の通り
せん断力と引張力を同時に受ける場合、材間圧縮力が低下し、本来の接合
力が期待できないため、許容せん断応力度を低減します。
3. 誤り
併用継手の場合、高力ボルト→溶接の順に行わなければ、両接合の許容耐
力を合算することはできません。溶接を先に行った場合は、高力ボルトの
接合力が期待できない可能性があるため、溶接のみの許容力となります。
よって設問の記述は誤りです。
4. 設問の通り
2面摩擦接合は、 摩擦面が2倍になるので、許容せん断力も1面摩擦の2
倍として計算することができます。
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02
1.設問の通りです。
2.設問の通りです。
高力ボルトで締め付けられている接合部がボルト軸方向に引張られると、接合面の圧縮力が減少するため、摩擦力も減少し、すべり耐力が減少します。よって、許容せん断応力度を引張力の大きさに応じて低減します。
3.設問の記述は誤りです。
溶接より後に施工する高力ボルト接合は、溶接によるひずみの影響により、応力を分担させることができないので溶接のみの許容耐力とします。
4.設問の通りです。
許容せん断力は、摩擦面の数とボルト本数に比例します。よって2面摩擦接合は2面×1本=2、1面摩擦接合は1面×1本=1となるので、2面摩擦の許容せん断応力度は、1面摩擦の場合の2倍となります。
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03
2 正。せん断力と引張力とを同時に受ける高力ボルト場合は、許容せん断応力度を軽減します。
3 誤。高力ボルト摩擦接合と溶接接合とを併用する接合部においては、高力ボルトを締め付けた後に溶接を行うことにより、両接合の許容力を加算することが出来ます。
4 正。摩擦面が1ヵ所の1面摩擦に比べ、2面摩擦は摩擦面が2ヵ所となるため、許容せん断応力度は1面摩擦の場合の2倍とすることが出来ます。
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