一級建築士の過去問
令和元年(2019年)
学科2(環境・設備) 問35
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問題
一級建築士試験 令和元年(2019年) 学科2(環境・設備) 問35 (訂正依頼・報告はこちら)
給排水衛生設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 災害応急対策活動に必要な医療施設において、地震災害時に使用できる水を確保するために、受水槽に地震の感知により作動する緊急給水遮断弁を設けた。
- 雨水排水管と汚水排水管とを別系統で配管した建築物において、公共下水道が合流式であったことから、雨水排水と汚水排水とを屋外の排水ますで同一系統とした。
- 循環式の中央式給湯設備において、レジオネラ属菌の繁殖を防ぐために、貯湯槽内の湯の温度を60℃以上に保つこととした。
- 伸頂通気方式の排水通気配管において、通気流速を高めるために、伸頂通気管の管径を排水立て管の管径よりも1サイズ小さいものとした。
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この過去問の解説 (3件)
01
1:設問通りです。
緊急時に備えて受水槽や必要な給水管分岐部に地震感知により、作動する緊急給水遮断弁を設けることがのぞましいとされています。
2:設問通りです。
分流式である場合は、雨水排水と汚水排水とを屋外の排水ますで同一系統としてはいけません。
3:設問通りです。
レジオネラ属菌とは、劇症肺炎の原因となる菌で水中に存在します。中央式給湯設備において、レジオネラ属菌を死滅させるには水温を60℃以上にさせます。給湯の使用ピーク時の分岐管であっても、55℃以上に保つようにさせます。
4:伸頂通気管の管径を排水立て管の管径よりも小さくしてはいけないので、誤りです。
伸頂通気管の管径が小さく、排水管内の圧力変動が大きくなってしまうとトラップの封水保護を十分に満たすことができません。
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02
正解は4です。
1.設問の通りです。
緊急給水遮断弁は地震などで受水槽周りの配管が破損しても受水槽の水の流出を防ぎ、必要最低限の水を確保します。
2.設問の通りです。
合流式:「汚水・雑排水・雨水」⇒下水道⇒終末処理場⇒川・海
分流式:「汚水・雑排水」⇒下水道⇒終末処理場⇒川・海と「雨水」⇒下水路⇒川・海
となります。
3.設問の通りです。
レジオネラ属菌は水中に存在し、劇症肺炎の原因となります。レジオネラ属菌は60℃以上で急に死滅するので、中央式給湯設備では、60℃以上で供給します。
4.設問の記述は誤りです。
伸頂通気方式は排水立て管の頂部を延長した伸頂通気管を屋上に立ち上げ、大気に開放する方式です。排水立て管は、管径を縮小せずに立ち上げるため、設問の記述は誤りです。
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03
この問題は給排水衛生設備に関する問題です。
給排水設備の方式と特徴をしっかり理解することがポイントです。
正しいです。
受水槽に緊急給水遮断弁を設けることにより、災害時の配管破損時でも受水槽内の水が流れてしまうことを防ぐことができます。
災害応急対策活動が必要な施設においては、災害時に使用できる水を確保することができるため、受水槽へ緊急給水遮断弁を設置することが望ましいです。
正しいです。
雨水排水管と汚水排水管を合流する場合は、屋外の排水ますで合流させ、同一系統とすることが望ましいです。
正しいです。
レジオネラ属菌とは、レジオネラ症という細菌感染症を引き起こす細菌です。
給湯設備の貯湯槽内でレジオネラ菌の増殖を防ぐためには、湯の温度を60℃以上に保つことが重要です。
誤りです。
伸頂通気方式とは、排水立て管を延長し、屋上等に立ち上げる方式です。
排水管の封水トラップ保護の役割を果たすため、通気管の管径は排水立て管の管径よりも小さくしてはなりません。
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